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【ICT施工】鋼管ソイルなど6つ/24年度の適用拡大図る

2024/03/21 本社配信

 国土交通省は構造物工でのICT活用へ技術基準類の改訂を行っており、2024年度も対象の拡大を図る。新設するのは鋼管ソイルセメント杭、小規模工事への適用拡大で付帯道路施設工、電線共同溝工と、民間等の提案を含め6つの工事種別で適用を開始する。

 構造物工(基礎工)については22年度に矢板工、既製杭工の適用を開始。23年度に鋼杭ソイルセメント杭の施工履歴データを活用した出来形管理手法の検討を実施し、本運用を開始する。3次元計測技術を活用した出来形管理で計測の作業時間短縮や維持管理分野の効率化を図る。

 付帯道路施設工は、22年度にモバイル端末を用いて出来形管理を行う要領(試行案)を作成。23年度はモバイル端末に加え、TS(ノンプリズム方式)による出来形管理手法の要領化を検討、本運用を開始する。測定点を記録し、点間距離を算出するイメージ。

 電線共同溝工も、22年度にモバイル端末により、出来形管理が可能なよう要領(試行案)を作成。23年度は、モバイル端末に加え、TS等光波方式、TS(ノンプリズム方式)、RTKーGNSSによる出来形管理手法を検討、本運用となる。

 民間等からの提案は26件あり、うち11件は年度内に基準類改訂等での対応を予定している。基準類改訂は新設含め11件、他の基準類で対応が4件となった。

 適用工種の拡大は3つでコンクリート堰堤工とバーチカルドレーン工(PVD)、TLSを用いた落石雪害防止工の出来形管理。

 コンクリート堰堤工は出来形管理要領に新設。UAV写真・TLSを使用できることとし、精度確認試験は土工編を準用する。掘削床計測、出来形計測、検査で適用する。出来形計測や検査等で高所作業が削減され、安全性向上・効率化・省人化が見込まれる。

 バーチカルドレーン工は固結工編に新設する。ICT地盤改良機が施工中に記録する施工履歴データで、位置・間隔、根入れ長さの出来形管理の方法と精度管理方法を記す。杭芯位置や杭径をシステムで確認することで効率化するなどの効果を見込む。

 TLSを用いた落石雪害防止工の出来形管理は、法面工編の適用工種に追加する。点群から出来形を確認することで現場計測作業を削減、効率化を図る。また、高所作業削減で安全性向上も期待される。

 適用工種拡大は、21日開催のICT導入協議会で明らかにしたもの。冒頭、森下博之大臣官房参事官(イノベーション)は、ICT導入工事が国交省直轄で実施率87%になっているが、地方公共団体では進んでいないため今後の課題と指摘した。

ICT施工の導入推進へ議論した

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