県土木部は、上越魚沼地域振興快速道路の上越市安塚~十日町市松代間の整備方針として国道253号付近を通過し、現道にアクセスしやすいルートとすることを決めた。国道403号付近を通過する案と比べて国道253号に接続できる箇所が多く、沿線からのアクセス性にも優れ、部分的・段階的な早期供用が可能となるほか、難工事となる地層を通過する区間が短いため、コスト縮減が期待される。
同路線の整備方針については、国道253号付近を通過するルート(B案)と、「国道403号付近を通過し、安塚IC~松代間を短く結ぶ案」(A案)の2案を比較検討。昨年9月~10月にかけて上越市および十日町市での説明会やアンケート調査を実施した。調査では、上沼道の整備で重視すべき項目として「冬期を含め、安全安心に通行できること」とする回答が全体の84%で最も多く、次いで「国道253号通行止め時に代替路として機能に優れていること」とする意見が多かった。
アンケート結果から、降雪による速度低下や長時間の通行止めなど国道253号が抱える課題解消に配慮した整備や通行止め時の253号の代替路としての機能向上、接続箇所が多く早期に部分供用ができる同案を整備方針とした。さらに検討を進め、計画の熟度を高める。
一方で、比較検討された国道403号付近を通過する案では、カーブが少なく緩やかなため、安全に走行できるほか、延長が短く速達性に優れるものの、国道253号から離れているため、沿線からのアクセス性に劣り、部分供用までに時間がかかる。また難工事が予想される泥岩地質の「須川層」を通過する区間が長く、開通の遅れが懸念されていた。
上越魚沼地域振興快速道路は、上越市を起点に十日町市、南魚沼市を結ぶ、延長約60㎞の地域高規格道路。安塚~松代間を含む安塚~十日町市北鐙坂までの区間が未着手となっており、現道は小曲線・急勾配、防災上の課題などを抱えている。