県森林整備課は、２０２４年度当初予算で６９カ所の治山事業を計画している。事業費は２０億２８５４万円。国庫補助事業は４６カ所１８億６７１４万円。主な箇所では、山地災害重点地域総合対策「那須・八溝地区」の山神（那須町）で谷止工を発注し、尻高田入（大田原市）で調査測量に着手。新規は予防治山の真名子（栃木市）、野辺山（さくら市）など。県単事業は２３カ所１億６１４０万円。小松沢（足利市）の山腹工、戸雁沢（佐野市）の排土工などを実施する。

　国庫補助事業は宇都宮、栃木、佐野、鹿沼、日光、大田原、矢板、那須塩原、さくら、塩谷、那須の９市２町で計画。

　継続箇所は山神のほか復旧治山事業の大網（佐野市）、入沢（鹿沼市）、塩の沢（那須塩原市）、予防治山事業の地極沢（宇都宮市）、観音裏（日光市）、林地荒廃防止事業の上寺沢（鹿沼市）、緊急防災減災対策総合治山事業の赤井原１（日光市）など。

　大網はブロック積み流路工を施工。全体計画は流路工設置５５５ｍ、事業期間２０～２７年度。２４年度は１２３ｍの工事を計画している。

　入沢は２４年度に簡易吹付法枠工５６０平方ｍを施工する。入沢の事業期間は２１～２５年度。塩の沢は簡易吹付法枠工６００平方ｍを施工し、事業を完了させる。

　地極沢は谷止工４基、観音裏は斜面を網で覆う落石予防工１１３４平方ｍを施工。いずれも事業完了を予定している。

　新規の真名子の全体計画は谷止工２基。事業期間は２４～２５年度、全体事業費は約６９００万円。２４年度は測量設計を委託し、１基の工事に着手する計画。喜連川地区の野辺山は単年度事業で法枠工４５０平方ｍを９月までに発注する。

　上寺沢は谷止工２基とブロック積み流路工３０ｍを整備し事業を完了させる。赤井原１は谷止工２基を施工する。

　那須・八溝地区は那須塩原、大田原、那須、那珂川の４市町で山地災害危険地区が密集する８つのエリアが対象。事業期間は２３～２６年度。総事業費は約９億２４００万円。全体計画では谷止工９基、山腹工０・４５ｈａ、排水工、流路工を整備する。

　２４年度は山神で谷止工１基を施工。黒羽地区の尻高田入で調査測量を行い、２５年度以降に実施する対策工法を検討する。

　県単事業は宇都宮、足利、佐野、鹿沼、日光、矢板、那須塩原、塩谷、那須、那珂川の７市３町で実施。

　山腹工の小松沢は法切工や緑化工、排土工の戸雁沢は流路工内に堆積した土砂を排除する。

　このほか主な箇所は瀬尾沢川（日光市）で国庫補助対象外の区間で流路工を設置。前沢（矢板市）では流路工を補修。洗掘された底面にコンクリートを打設する。

　塩釜（那須塩原市）は樹木で破損した落石防護網を補修。蓑沢（那須町）は下草刈りなどの森林整備を実施する。