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新潟県交通政策局

新潟―上越間の高速鉄道化は概算事業費1200~2100億

2024/03/28 新潟建設新聞

 県交通政策局は、新潟地域と上越地域を結ぶ高速鉄道整備の概算事業費として1200億~2100億円となる試算を明らかにした。26日に開かれた「第5回高速鉄道ネットワークのあり方検討委員会」で、ミニ新幹線整備や既存在来線改良による高速化などの4案が示され、各案の事業費等の調査結果や時間短縮効果、各案のメリット、デメリットを比較検討した。県では新年度に需要予測や費用便益比など、さらに調査を行う方針。

 今回、比較検討されたのは▽上越妙高駅―長岡駅間にミニ新幹線を走行させる▽糸魚川駅―長岡駅間でミニ新幹線を走行させる▽上越妙高駅―長岡駅間の既存信越本線を改良し、特急を走行させる▽上越妙高駅―浦佐間の北越急行をミニ新幹線化し、柏崎~長岡間は改良して特急が走行する―の4案。

 上越妙高駅―長岡駅間をミニ新幹線化する案では、事業費を約1200億円と試算。信越本線や、えちごトキめき鉄道の軌道を改修するほか、駅へミニ新幹線が乗り入れるアプローチ線の整備などが計画され、概略工期に15~17年を見込む。

 糸魚川駅~長岡駅間をミニ新幹線とする案では事業費として約1500億円、工期には19~20年程度を想定している。

 上越妙高駅―長岡駅間の既存信越本線を改良し、風の強い海岸線を避けた曲線改良などによる特急の高速化では、事業費約2000億円、工期13~15年程度とした。

 上越妙高駅―浦佐間の北越急行をミニ新幹線化し、柏崎―長岡間を改良して特急が走行する案では、事業費が約2100億円、概算工期は8~10年となる。

 いずれの案でも既存新幹線設備改修費、管理費、整備後のメンテナンス費は含まれず、新たな車両開発・購入費についても別途、必要となる。また、ミニ新幹線化には高度な技術が必要となるほか、在来線を改良するためには、大幅なダイヤ変更が必要となり、在来線の利便性低下の恐れがある。

 計画の実現性について、大串葉子委員長は「南海トラフ地震など可能性から日本海側の役割が強調されている。北陸新幹線が大阪まで延伸された後、新潟県が需要予測や採算性まで含めた検討を済ませていることが重要。実現可能性を信じて、対応できる準備、まちづくりを行っていくことが実現に結び付く」とした。

【写真=4案のメリット、デメリットを比較検討した】

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