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鳥屋野球場「建て替えほぼ決定」本年度早期に検討着手

2024/03/30 新潟建設新聞


 新潟市スポーツ施設の未来構想会議(西原康行会長、新潟医療福祉大学副学長)は3月28日、新潟市役所で中原八一市長に提言書を手交した。鳥屋野潟運動公園野球場については、能登半島地震の影響も踏まえ、鳥屋野潟南部エリアに移転し新築する方向性が望ましいとした。中原市長は「球場建て替えはほぼ決定」と明言。本年度当初予算には関連費を盛らなかったものの「土地の確保など課題が多いが、鳥屋野潟南部ならどこが良いのか、より早期の総合的な検討が必要。提言を踏まえ、本年度から具体的に課題を洗い出し、専門的な調査などに着手したい」と述べた。

 鳥屋野球場は竣工から60年近くが経過。大規模地震に対し倒壊または崩壊する危険性が高いとの判定を受けている。今回の震災で、外壁のひび割れ、バックネットワイヤーの断裂、外野フェンスの変形、外野芝生の隆起、駐車場の損傷などが生じ、利用ができない状況となっている。

 提言は「県都・政令市にふさわしい」スポーツ施設と、喫緊の課題である老朽化への対応を大きな柱として方向性を示した。おおむね20年後に向けて、国際・全国大会を開催できる高い機能性や、イベントでも活用され、にぎわいが生まれる拠点化・活性化、防災拠点機能も備えるスポーツ施設と定義した。

 白山エリアは観るスポーツの臨場感を味わえる球技専用スタジアムやアリーナとともに公共施設や商業施設、賃貸オフィスなども想定。鳥屋野潟北部エリアは陸上トレーニングに特化した全天候型施設を想定し、スポーツ医科学支援の実践も良いとした。鳥屋野潟南部エリアでは、既存の県立スポーツ施設とのすみ分けを明確にしつつ、アリーナや球場・球技場などの集約を提案した。

 未来構想会議は昨年6月から5回にわたり議論を重ねてきた。西原会長は「スポーツにとどまらず市全体を俯瞰し、観光、商業施設など、にぎわいを生み出す交流拠点を模索した。本日の提言から市民の皆さんや、官民一緒になった盛り上がりを期待したい」とした。

 新潟アルビレックスランニングクラブ代表の大野公彦委員は「スポーツに関心が無くても訪れたい交流拠点となる施設、全国的にもオンリーワンの施設が議論のポイントだった」とした。

【写真=西原会長(中央)が中原市長(右)に手交】

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