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新潟県土木部

新分野進出優良事業で4社の取組み表彰

2024/03/29 新潟建設新聞

 県土木部は、本年度の新分野進出優良事業表彰として▽江口設備工業の「ゆきぐに温泉マンゴー」▽小柳建設の「Holostruction」▽カネカ建設の「うおぬま倉友農園」▽近藤組の「佐渡関岬オートキャンプ場」―の4事業を選定した。26日には表彰式が執り行われ、深田健土木部長から表彰状が贈られた。

 江口設備工業のゆきぐに温泉マンゴーは、本業のさく井工事の技術を生かして敷地内で採掘した温泉熱を利用し南国フルーツのマンゴーを生産販売している。「魚沼の妖精」のブランド名で、本場の宮崎県にも引けを取らないマンゴーを生産し、南魚沼市ふるさと納税の返礼品としても注目される。

 小柳建設のHolostructionは、MR技術を使って、建造物の3DモデルやCADデータを現実の空間に投影し、仮想空間上で会議を行うなどのコミュニケーション技術。2017年にマイクロソフト社との協業を開始し、開発がスタート。DXを活用した働き方の改善の結果、女性活躍や若手雇用の優良企業として厚生労働省の認定を取得しており、建設業に限らず全国の中小企業、各地域の全ての産業へ同技術の展開を目指している。

 カネカ建設のうおぬま倉友農園は、高齢化により耕作ができなくなった農地を受け入れ、農作物の生産・販売を開始。加工販売として、おにぎり屋を開店したほか、倉庫を改装した雪室による熟成事業などにも取り組む。現在はゴールデンウイーク前のオープンを目指し、地域の野菜や山菜等の販売所も建設中。

 近藤組の関岬オートキャンプ場は、県の指定管理施設であるキャンプ場を地域貢献の観点から引き継ぎ、管理運営を行っている。地元雇用に努めるほか、昨年からは島内で民泊やサウナ、地ビールを展開する事業者などとの連携を進め、今年のゴールデンウイークからキャンプ場内にサウナとグランピング施設を開設する。

 同表彰は新分野の功績を情報発信することで進出意欲の喚起と県内経済の活性化を図るため13年に創設。有識者で構成する選定委員会において①雇用の創出効果②経営資源の活用状況③新規性または独創性④継続性または将来性⑤地域貢献性の5つの着眼点から審査し、選ばれる。

 深田部長は、「創意工夫で新事業に取り組み、地域経済の活性化と雇用の維持、安定に貢献していただいている。県としても経営基盤の強化や人材確保・育成、生産性向上などを総合的に進め、持続可能な建設産業の実現に取り組む」とした。

【写真=深田部長を囲み受賞者が記念撮影】

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