国土交通省は直轄事業の事業促進PPPについて、ガイドラインの改訂を計画しており、調査~施工・維持管理までの各事業段階の選択方式を設定し、これまでの総合型と運用、多様なニーズに対応していく考え。26日の発注者責任懇談会業務マネジメント部会で説明した。改訂時期については明確ではないが、早期に対応していくことが考えられる。
事業促進PPPは、東日本大震災を受けて三陸沿岸道路等の復興道路事業などでスタートした。現在は大規模災害復旧・復興事業のほか、平常時の大規模事業等で適用している。2012年度に22件の適用から始まり、年々増え22年度には199件まで増加している。
運用が進む中、さまざまな事業段階で活用できることをガイドラインへの明記し、適正な設計変更、発注者と円滑に連携が取れるよう配置技術者に求められる能力の明記などが求められていた。
22年度の段階で一度、改正について議論があり、事業段階に応じた区分を5つ設定したが、さまざまな意見があり検討を続行していた。
新たな方向性は、災害時、平常時の2タイプにそれぞれ、これまで行ってきた調査~設計・維持管理までの「総合型」と、各事業段階における選択方式を設定する「事業段階選択型(複数段階、単独段階)」を設定する。選択する事業段階は、調査、設計、用地、施工で、平常時タイプは維持管理も加わる。
これにより課題に応じた柔軟な活用が可能になると期待されている。
なお、配置予定技術者について総合型はこれまで通り。事業段階選択型は、これまでの実績から管理技術者、主任技術者、担当技術者のうち2階層とし、それ以上でも可能としている。
このほか、業務内容に高度な技術支援、施設管理、BIM/CIM活用支援などを追加する。
配置予定技術者に求められる行動・能力は、発注者・受注者からは、人間関係構築、コミュニケーション能力、リーダーシップ、事業全体の俯瞰、専門的立場からの助言、周囲の意見をよく聞き連携する協調性などの意見があった。ガイドラインに能力などの記載を充実させる。
設計変更については、受発注者協議の上、必要に応じて適正に実施することを明記する。
なお、ガイドラインが改訂された後は、フォローアップを実施していく。
部会では受注制限、地盤・地質、都道府県市町村への拡大などで意見があった。