記事

事業者
国土交通省

【働き方改革】施策パッケージ固める/工期基準改正を年度内/中建審で意見求める

2024/03/27 本社配信

 国土交通省は2024年問題への対応を念頭に、働き方改革に向けた施策パッケージの概要と、工期に関する基準改正案を27日の中央建設業審議会に示した。パッケージは、時間外労働上限規制を労働時間短縮のチャンスとすべく休日の拡大、建設Gメン拡充、平準化の促進などの関連施策を位置付けた。工期の基準については、時間外労働上限規制を順守に集中した改正となるもので、早期に勧告することになる。

 働き方改革に向けた施策パッケージは、8日の建設業団体との賃上げ等に関する意見交換会で示した骨子から、概要に変わった。カテゴリーは▽時間外労働規制の理解促進▽労働時間の縮減(休日の拡大)▽適正な工期設定▽生産性の向上、超過勤務の縮減方策▽実効性の向上―で変更はない。法令解釈・運用を明確化するための枠組みづくりや、週休2日工事の拡大(都道府県工事の100%実施目標設定など)、夏期一斉閉所、法定労働時間順守を前提とした工期確保、猛暑日を作業不能日とした工期設定、建設Gメンは体制倍増、工事関係書類削減、平準化ではピークカットの促進などを位置付けた。デジタル技術を活用し自動化、遠隔化を促進するDXの推進を新たに盛り込んでいる。

 工期に関する基準改正の大きなポイントは、工期設定における受発注者の責務について。

 受注者は、契約締結前、変更契約が必要となる際に「時間外労働規制を順守した適正な工期が確保された見積りを提出」することを努力義務とする。発注者は「時間外労働規制を順守した適正工期の見積りが提出された場合、内容を確認し尊重」「時間外労働規制を順守できる工期設定への協力と規制への違反を助長しないよう留意(元下間も同様)」する旨を記載する。

 工期全般・工程別に考慮する事項も追記など行う。

 技能労働者やオペレーターの「移動時間等も労働時間に含まれうる」ことや、運送業者が「物品納入に要する時間等を考慮する必要性」、「猛暑日における不稼働」に関する内容を追記する。また、「工期確保や交代勤務制の実施、労働者確保等に必要な経費を請負代金に適切に反映させる」必要性を明記する。有効な取り組み例に勤務間インターバル制度についても触れる。


◎標準労務費作成へ ワーキングを設置


 国会に提出されている建設業法の一部改正を含む法律案には、中建審が「労務費に関する基準」、いわゆる標準労務費を作成・勧告ができるとしている。規定は交付後3カ月以内に施行となる。

 標準労務費の作成へ、法案成立後に中建審にワーキンググループを設置して検討を行っていくことが決まった。

中建審での審議

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら