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【建設リサイクル】質の向上へ議論開始/循環経済で水平リサイクル

2024/03/28 本社配信

 国土交通省は建設リサイクルを取り巻く環境変化を踏まえ、今後の方向性について議論を開始した。建設リサイクル推進計画2020で質を重視するリサイクル策を打ち出しており、カーボンニュートラル(CN)実現と循環経済の実現の2つの方向性から検討する。循環経済では水平リサイクルを重視する考えが示されている。2025年春以降に中間とりまとめを提言する。

 カーボンニュートラルの実現へは、建設分野のリサイクルに関するCO2は産業部門、運輸部門などで発生しており、これらをターゲットに削減の取り組みを進める必要がある。質の高いリサイクルへ、コンクリート塊、アスファルトコンクリート塊、建設汚泥や建設発生土のCO2排出・吸収について定量的に把握し、政策目標を検討していく。


 循環経済の実現へは、使用済み製品を原料に同種の製品を製造する水平リサイクルが重要と捉えている。コンクリート塊を再生コンクリート骨材、アスファルトコンクリート塊を再生アスファルト合材として再生利用するイメージ。

 その対象にはコンクリート塊、アスファルトコンクリート塊、建設木材、建設汚泥、建設発生土、プラスチック、石膏ボードが挙がっており、水平リサイクルを進める上での課題や解決策の検討を進める。

 28日には建設リサイクル推進施策検討小委員会が開かれ学識者などに意見を求めた。冒頭のあいさつで長橋和久総合政策局長は、リサイクルの質の向上が重要な視点であるとし「排出側の目標指標だけでなく利用の方法に目を向けていく必要がある」との考えを示し、議論に期待した。

 次回委員会は春~夏ごろ開催し、カーボンニュートラル推進施策の議論や業界団体などのヒアリングを行う。その後は質の向上についての議論を進め、来春ごろに提言となる中間とりまとめ案について議論し、提言につなげる。

建設リサイクルの質向上へ議論を開始

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