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栃木県大田原土木事務所

大田原土木、黒羽BP2400m、渡河部230m、24年度路線測量、橋梁予備設計へ

2024/04/04 栃木建設新聞

 県大田原土木事務所は、大田原市の国道461号黒羽バイパスのルート概要を固めた。バイパスは南金丸地内を起点に南側に分岐。大田原警察署黒羽交番南側を通り1級河川那珂川を渡河。那珂川に左岸から1級河川松葉川が合流する南側を選定した。左岸側は黒羽市街地の外縁部を北上し現道とは松葉川渡河部の下高橋東側で合流する。概算延長が2400m、那珂川渡河部は230mの長大橋。主要交差点の国道294号と主要地方道那須黒羽茂木線とは平面交差を計画。今年度は路線測量に着手、橋梁予備設計の委託時期を検討する。

 計画幅員は12m。車道3・25m×2車線の両側に路肩兼自転車通行帯1・5m。歩道は北側に2・5m確保する。

 ルートの選定にあたり道路概略設計を実施。範囲を特定する平面図化を日研測量に委託。河川協議を踏まえ概略設計と那珂川の流況解析業務でルートを絞り込んだ。概略設計と流況解析業務は富貴沢建設コンサルタンツが手掛けた。

 461号は第1次緊急輸送道路に指定。産業・経済活動を支え、災害発生時には救援活動や物資輸送に利用される幹線道路。

 黒羽市街地の461号は道路幅が狭く屈曲しており、那珂川を渡河する那珂橋は1933年の架設で、すでに90年が経過。設計荷重は6㌧と荷重不足に加え、老朽化による損傷や大規模災害時の寸断なども懸念されている。

 事業目的は道路の走行性向上、交通渋滞の緩和、歩行者・自転車の利便性向上の3項目。

 バイパスの検討が始まったのは03年度。当時の黒羽町と大田原土木事務所でまちづくり支援道路座談会を設立。合併後は大田原市に引き継がれ、06年度に黒羽地区まちづくり支援道路検討会を設立した。

 検討会は08年度に提言書を提出。内容は①現在の那珂橋を残すことが望ましい②新しい橋は松葉川合流付近を通るバイパスが望ましい③那珂橋を生かしたまちづくりを引き続き議論していくことが望ましい―3点。

 県は20年度に調査に着手。現道との分岐・合流部など位置の検討を進めてきた。起点は南金丸工区の東端。終点は松葉川の下高橋東側で現道がクランク形状。南側から合流し交差点を形成する。

 ルートの選定に当たり概略設計を委託。家屋が密集していない那珂橋の下流側で、河川幅が狭くなる松葉川と合流した更に南側を候補地に複数案を検討。同地の那珂川は崖地を形成し、左右岸の高さが異なるため橋梁架設には安定した勾配が望めるルートを抽出した。

 那珂橋の橋長は5径間の165・48m。車道幅員が交互通行の5・6mで南側に歩道2mを配置。形式は右岸側が鋼4径間単純トラス桁。左岸側は鋼単純鈑桁。

 那珂橋は黒羽の市街地を東西に結び、架設から90年を数え地元のシンボルとなっている。県はバイパス整備により現道を含めた市への移管とともに、延命化による再整備を検討していく。

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