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国土交通省江戸川河川事務所

水閘門改築は50億円超/24年度の事業概要公表/市川市で高規格堤防推進/江戸川河川

2024/04/09 日刊建設タイムズ

 江戸川河川事務所は8日、2024年度当初予算における事業概要を明らかにした。予算額は、対前年度当初比0・98倍の93億9000万円。市川市および東京都江戸川区において江戸川特定構造物改築事業(江戸川水閘門)と超過洪水対策(高規格堤防整備)、野田市および埼玉県吉川市において江戸川堤防整備等を推進する。第4四半期に「R6江戸川水閘門改築(1期)工事」をWTO政府調達協定一般競争入札で発注。工種は一般土木。工期は45か月。工事費は50億円以上。

 江戸川水閘門は竣工後約80年が経過し、老朽化によりゲート操作に支障となる不具合が多発。洪水時にゲート操作が不能となった場合、せき上げにより上流の水位が上昇し、堤防決壊による氾濫の危険性が高まるため、全面的な改築を行う。24年度は新水門の一部および新閘門の改築を行う。

 第1四半期には「R6江戸川水閘門改築及び既設水閘門撤去等検討業務」の簡易公募型プロポーザルを公告する。業種は土木関係建設コンサルタント業務。委託期間は8か月。水閘門改築設計については、別途契約工事の優先交渉権者の技術提案、技術情報などを設計に反映させる技術提案・交渉方式の適用業務となっている。

 江戸川下流部は低平地が広がり、計画規模を上回る洪水が発生し堤防が決壊した場合、甚大な被害が発生するため、高規格堤防の整備を行う。高谷Ⅱ期地区高規格堤防は、30年度の完成を目指し、詳細設計などを実施する。

 第2四半期に「R6江戸川下流部高規格堤防整備推進方策検討業務」の簡易公募型プロポーザルを公告。業種は土木関係建設コンサルタント業務。委託期間は5か月。

 江戸川の堤防は、洪水に耐えるための断面が不足している箇所があり、順次、整備を実施している。24年度は、野田市中野台地先の堤防整備に伴う樋管改築と盛り土を行う。

 第3四半期に「R6江戸川左岸浅間下排水樋管改築工事」を発注する。WTO政府調達協定一般競争入札で発注する。工種は一般土木。工期は19か月。工事費は、15億円以上30億円未満。

 そのほか、江戸川、中川、綾瀬川などの河川管理施設(堤防、樋管、排水機場など)について、洪水時に機能を十分に発揮させるため、巡視、点検、整備、補修、機能改良を実施する。

 予算額の内訳は、河川改修58億9800万円(対前年度当初比1・05倍、うち江戸川43億5200万円)、総合水系環境整備1億1600万円(同3・14倍、うち江戸川500万円)、河川維持修繕29億9000万円(同1・07倍、うち江戸川20億5800万円)、江戸川河川工作物応急対策1億円(同0・13倍)、北千葉導水路堰堤維持2億8600万円(同0・76倍)。

江戸川水閘門整備イメージ 浅間下排水樋管の整備イメージ 主な事業箇所

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