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【AI下水処理場】2つの方法を示す/ベンダーロックイン解消へ

2024/04/08 本社配信

 国土交通省は下水処理場運転操作へのAI導入に向けた環境整備で、最大課題とされるベンダーロックインの解消へ対応手法を示した。「汎用プロトコル化」、もう一つは「データプラットフォームサーバーの導入」。これらの導入で、必要な運転管理データを容易に取得できる環境となる。公共事業参入の公平な競争性確保の観点からも、取り組むべき課題とされている。

 少子高齢化や技術者の減少などに対応するため、データとデジタル技術を活用する下水道のDXを推進しており、AIを活用した水処理運転操作の最適化支援への実証研究が進められている。

 下水処理場の運転操作にAIを導入・運用するためには、必要な管理データが容易に取得できる環境が必要。ただ既存システムベンダーが独自の通信仕様を採用している場合、他社ベンダーが参入困難(ベンダーロックイン)となり、データ取得が難しい状況。

 AIによる下水処理場運転操作DX検討会が、1年間の検討成果として、環境整備に関するあり方を提言した。その中でベンダーロックイン解消への2つの方法を掲げた。

 汎用プロトコル化はAI導入・運用のため、全下水道管理者が取り組むべきもので、監視制御システム等の発注資料等の見直しを検討する必要があるとした。また、課題意識が浸透していないため、国が標準的な発注仕様の策定と周知、継続的なフォローアップ、必要に応じた財政誘導など改善策を検討すべきとした。

 中長期的な対応ともなるプラットフォームサーバーは、異なる組織が持つ大量のデータ収集・管理を一元的に行うことができる。全国的な普及展開へは国を含めた関係団体一体での検討が必要とした。

 提言では、AI導入へバックアップの仕組み、信頼性の確保、AIと従来運転の切り替え方法など運用マニュアル整備、AIの判断根拠見える化、技術開発・導入促進などにも言及している。

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