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(財)建設経済研究所,(財)経済調査会

【建設投資】24年度は74・3兆円示す/底堅く微増傾向と予測

2024/04/11 本社配信

 建設経済研究所と経済調査会経済調査研究所は10日、「建設経済モデルによる建設投資の見通し」(2024年4月版)を公表した。24年度は74兆3500億円で前年度比2・8%増と予測した。15年度を基準とした実質値で見ても、24年度は同比1・5%増の59兆6760億円となり、政府分野、民間分野とも投資は底堅く、24年度も名目値、実質値とも微増としたが、海外景気後退のリスク、能登半島地震やマイナス金利政策解除などが与える影響を注視していく必要がある。なお、建築補修投資は23年度の好調は24年度も続く見通し。

 24年度の建設投資予測のうち政府分野投資は、国・地方の24年度予算で公共事業関係費が前年度並みの約6兆円確保され、23年度補正の国土強靱化関係も24年度の出来高として実現すると想定。地方単独事業も維持補修費、投資的経費は前年度並みに確保されている。公共事業への投資は底堅い推移が想定され、名目値・実質値ベースとも前年度比で微増とし、名目値23兆6400億円(対前年度比1・5%増)、実質値19兆2245億円(同1・1%増)とみている。

【住宅着工戸数】

 24年度は建設コストの上昇が住宅需要を抑制する状況は依然として継続、前年度を同水準と予測し0・7%増の81万戸と予測した。民間住宅投資額は名目値で17兆3200億円(前年度比1・6%増)、13兆8756億円(同0・3%増)で微増、同水準の範囲とみている。持家、貸家、分譲住宅のうち着工戸数増加と予測するのは分譲住宅。マンションが大都市圏で底堅い需要が続き、価格高騰から郊外に移る動きもあり増加とした。戸建ても住宅メーカーの販売戦略変化もあり、前年度比で増加とみている。

【民間非住宅建設投資(建築+土木)】

 24年度は前年度比1・2%増の19兆1300億円と予測する。着工床面積は前年度比で事務所6・3%増、店舗5・6%増、工場5・6%増、倉庫0・3%増を見込む。23年度見通しが全て前年度割れだったため反動増の位置付けで、16年度以降では最低水準としている。

【建築補修(改装・改修)】

 建設投資全体が低調な中で、大きく目を引く対前年度伸び率を予測した。

 23年度は前年度比20・9%増となる13兆1100億円と予測。24年度は前年度比8・8%増の14兆2600億円とした。政府建築補修は省エネルギー対策などで堅調推移が見込まれる。民間も住宅・非住宅とも省エネ関係を中心に、オフィスの働きやすい環境づくりなど堅調に推移すると予測している。

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