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栃木県農業振興公社

県農業振興公社、畜産担い手栃木那須に着手、9.9億円で草地造成や堆肥舎など

2024/04/22 栃木建設新聞

 県農業振興公社は、栃木那須地区草地畜産基盤整備事業(畜産担い手総合整備型)再編整備に着手する。草地造成や改良などの飼料畑の基盤整備、パーラー舎・堆肥舎や飼料調整貯蔵庫など農業用施設を拡充。2028年度まで5カ年の事業費に9億9453万円を投入する。24年度は5200万円を配分し、那須町の草地造成0・8haと草地整備7・3ha、那須塩原市の飼料畑造成5haを施工する。

 栃木那須地区の対象市町は、大田原、那須塩原、那須の3市町で経営体数は12戸。12戸の市町別内訳は大田原1戸、那須塩原7戸、那須4戸で、乳牛が8戸、肉用牛は4戸。

 全体計画のうち基本施設整備事業は2億30万円。このうち草地造成改良が5・8haで、事業費が6700万円。工事は伐採や伐根、刈り払い、切り盛り土など山林や荒地を牧草地に造成改良する。内訳は那須塩原市が6200万円で5ha、那須町は500万円を充て0・8haを施工する。

 既存の草地整備改良には1億2430万円。暗渠整備や畦畔・石礫の除去で対象面積が35・3ha。内訳は大田原市が1350万円で4ha、那須塩原市は6480万円を充て17haを施工。那須町は4600万円で14・3haを施工する。

 牛舎や堆肥舎など建物の底地を整備する施設用地造成には900万円。対象は那須塩原市。工事は伐採や伐根、刈り払い、盛り切り土による整地で、延べ面積は0・9ha。

 農業施設整備事業には7億9423万円。このうち牧柵200mの隔障物整備には600万円。対象は那須塩原市。

 家畜保護施設のパーラー舎は2棟で延べ685平方m。事業費には2億7054万円を配分した。大田原市が355平方m1棟に1億1873万円、那須町は330平方m1棟で1億681万円。那須塩原市は4500万円を充て既存パーラー舎の設備を更新する。

 家畜排せつ物処理施設は3億6864万円で、堆肥舎7棟延べ5224平方mを整備する。このうち那須塩原市が6棟延べ4664平方mを占め、事業費が3億3404万円。那須町は1棟560平方mに3460万円。

 飼料調整貯蔵施設はサイロで、那須塩原市に整備する。1棟の規模は1170平方m。事業費が7705万円。搾乳後の洗浄水を供給するパーラー排水処理(浄化装置)は2カ所。水質汚染防止施設で事業費は那須塩原市が4000万円、那須町は3200万円。

 栃木那須地区は畜産物の生産地として安定的な発展が見込める地域。飼料基盤や農業用施設などを整備し、規模を拡大して濃密な生産団地を確立する。自給基盤の水田利用も盛んな地域の特性を活用。飼料自給率の向上による経営発展を促し、担い手の魅力ある畜産業を確立するため事業を展開する。

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