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茨城県ひたちなか・東海広域事務組合

9月外構着手目指す/笹野消防署庁舎建設 解体工契約3月末を視野

2024/05/09 日本工業経済新聞(茨城版)

 ひたちなか・東海広域事務組合は、消防本部・笹野消防署庁舎建設工事を進めている。2024年度は、庁舎本体工事竣工を目指しつつ、外構工事その1と旧庁舎解体工事を公告する。外構工事その1は、9月ごろに工事着手できるよう7~9月に発注。旧庁舎解体工事については、年度末には本契約できるよう1~3月に公告する計画だ。26年度の事業完了を目指している。

 24年度内に、新庁舎の竣工と外構工事その1として、駐車場の東側半分のみ整備。合わせて、旧庁舎から新庁舎への引っ越し作業を実施する。引っ越し後は、解体工事に係る事業者との工事請負契約を結び、25年度に解体工事に着手。解体工事完了後、跡地に訓練塔と車庫棟を建設し、25年度内に終わらせる。26年度には外構工事その2の区間に着手。26年度にはすべての工事が完了する計画だ。

 新庁舎は基礎免震構造、準耐火建築物のS造3階建て、延べ床面積4228㎡規模。付属施設として車庫棟や訓練棟などを配備する。22年度当初予算に22~26年度までの5カ年債務負担行為45億718万円を設定した消防本部・笹野消防署庁舎建設事業費のうち、24年度の当初予算案における工事費は12億8800万1000円を計上した。

 建設予定地は、ひたちなか市笹野町2―8―1ほかで、敷地面積が1万1666・75㎡(近隣商業地域、建ぺい率90%、容積率200%)。北側には市道1級1号線(昭和通り、W33m)が接する。敷地内に建つ男女共同参画センター(S造213・53㎡)は、㈱大曽根建設(ひたちなか市)が21年度に解体済み。 新庁舎の平面計画では、1階では消防署機能として事務室、出動準備室のほか、エントランスホールや緊急消毒室を設置する。車庫に隣接するエントランスホールでは、見学者に緊急車両が見やすいよう配慮している。

 2階には多目的ホール、食堂、仮眠室などを配置。多目的ホールは可動間仕切り壁の設置で3分割利用が可能で、講習会利用ができるようにAV機器を設置する。食堂は1階車庫の状況が確認できる吹き抜けとなっており、出動待機所としての利用を考慮して階段を直近に配置し出動動線を最短化する。

 3階は本部事務室や指令室、災害対策室を集約配置する。各部屋を壁ではなくガラスで仕切ることで相互の目視確認により連携強化を図ることとしている。建物全体では高さ16mを確保する。

 供用を開始する24年度以降には、既存庁舎を解体する。建物規模が2階建て、延べ床面積2016・95㎡。解体後の25年度には付属施設となる訓練棟と車庫棟を建設、26年度には外構工事を進めていく計画。

 車庫棟は敷地北西側の昭和通り沿いに配置する。建物がS造平屋、床面積280㎡。訓練棟は庁舎棟と車庫棟の中間に配置。建物の規模などがRC造3階建て、延べ床面積300㎡を確保する。このほか、付属棟(RC造平屋、111㎡)や無線機収容局舎(S造平屋、6㎡)も配置する。

 外構計画では、駐車場169台(うち思いやり駐車場4台)、駐輪場16台分を確保するほか、外周には植栽を整備する。

 現在の庁舎は竣工から約50年が経過し、経年劣化が進んでいる。大規模災害時にも消防活動拠点としての機能を維持し、住民の安全安心を守るために庁舎を建て替える。

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