県道路保全課は、2024年度の国庫補助と交付金事業の主要箇所をまとめた。全体事業費は30億8900万円。国庫補助は道路メンテナンスに基づく橋梁やトンネル、歩道橋など道路付帯施設の点検・修繕、土砂災害対策で事業費が23億3000万円。新規に桐生田沼線羽室橋(佐野市)補修設計を実施する。交付金事業費は7億5900万円。除雪や道路アンダーなど冠水対策、道路防災、照明・情報板更新、自転車通行環境整備を実施する。
橋梁補修は予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向けた老朽化対策。補正予算と併せ大幅な進捗を図り3巡目点検で次期対策箇所を抽出する。
新規で補修設計に着手する羽室橋は1級河川旗川を渡河し架設は1961年。橋長72・1m(幅員6m)の6径間RCT桁。下部工は直接基礎重力式橋台2基と直接基礎壁式橋脚5基。修繕工法を検討し25年度以降の対策工事に備える。
補修工事は断面修復や伸縮装置の更新、桁の再塗装、ひび割れ補修など。歩道橋は再塗装を主体に延命化を図る。
鹿沼市と栃木市境の1級河川思川を渡河する上久我栃木線本城橋(橋長331・6m、幅員9・5m)は床版防水と橋面舗装工を実施。本城橋は1971年架設の6径間で上部は左岸側が曲線の鋼箱桁、右岸側は鋼トラス。法定点検では3判定。
栃木市の栃木環状線片柳跨線橋(橋長227・1m、幅員19・5m)は、73年架設の21径間PCとT桁の複合橋。栃木駅西側でJR両毛線を跨ぎ、工事は床版防水と橋面舗装工。法定点検では3判定。
さくら市の国道293号が1級河川鬼怒川を渡河する氏家大橋(橋長533m、幅員5・5m)は上下線分離橋。工事は64年架設の下流側10径間鋼箱桁で根固め工を実施。法定点検では2判定。
大田原市の東小屋黒羽線旭橋(橋長6・7m、幅員7・2m)は、1級河川堂川に23年に架設された鋼I桁。法定点検では4判定で、工事はボックス工で架け替える。
佐野市の寺岡館林線高橋大橋(橋長307・6m、幅員9・8m)は、1級河川渡良瀬川に93年架設の6径間鋼I桁。法定点検では3判定。工事は塗装の塗り替えを継続する。
トンネル補修は日光市の国道120号金精トンネルで漏水対策や剥落防止を実施。竣工は65年度、トンネル長が755m(幅員6・5m)。法定点検は3判定。
歩道橋の補修は、真岡市の国道294号久下田1号(延長80・4m、幅員2m)と下野市の下野二宮線自治医大前・東(120・2m、2m)で塗装塗り替えを実施。久下田1号が83年、自治医大前は78年竣工で両歩道橋とも法定点検は3判定。
土砂災害対策では、鹿沼市の草久粟野線入粟野で落石防護柵工、日光市の国道122号足尾と那須塩原市の黒磯田島線深山は落石防護網工を実施。事業延長は入粟野が800m、足尾は875m、深山は150・7m。
那珂川町の那須黒羽茂木線富山は、もたれ式擁壁工を延べ124・7mを施工する。
交付金事業のうち除雪は、日光と大田原土木管内が対象。日光ではロータリー除雪車を更新する。
雪寒対策では日光市の国道120号中宮祠で堆雪帯を整備。事業延長は530m、幅員7mを確保する。
道路アンダーの冠水対策は、宇都宮市の宮環・国道121号宮の内アンダー(延長739・8m、幅員35m)が電気設備の更新と地上化を実施。下野市の下野二宮線自治医大アンダー(延長516m、幅員19・5m)はポンプ室地上化のため用地買収を継続する。
道路防災は塩谷町の藤原宇都宮線上寺島と那須塩原市の藤原塩原線湯本塩原で落石防護柵工を施工。事業延長は上寺島が145m、湯本塩原は300m。
自転車通行帯サイクルツーリズムの環境整備は、コースの固まった県西モデルルートを対象に矢羽根などの路面表示を継続する。