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群馬県富岡森林事務所

県富岡森林事務所小野里光所長就任インタビュー

2024/05/16 群馬建設新聞


前橋市在住で上信電鉄を利用して富岡まで通勤している。山形大学農学部林学科を卒業し1988年に入庁した。80年代は自然環境に関する出来事が社会的な問題となっており、森林に関わることができる仕事に就きたいとの思いから県庁職員の道を志した。入庁後は治山事業やきのこ生産振興のほか、森林保護に関する業務が多く、樹木を衰弱させる病虫害や、ツキノワグマがスギの樹皮を剥いで枯らすクマ剥ぎなどの獣害について、林業試験場や自然環境課、鳥獣被害対策支援センターで調査や対策を行ってきた。

2019年の台風被害を踏まえて、抱負は「災害に強い森林づくりと充実した森林資源の有効活用」と話し「西毛地域はシカによる森林被害が多いため、いかに被害を減らしていけるかが課題」と述べ「このことを意識しながら森林資源の循環利用を目指していきたい」と意気込む。

所管地域について「民有林の比率が高く、森林資源が充実している。製材や原木しいたけ生産など、森林資源を有効活用してきた歴史がある」と話し「これらの地域の特性をこれからも維持していけたらと思う」と意気込む。また、「西上州の山は景観がとても優れているが、急峻な地形のため木材の搬出には不利な地形条件となっている」と分析。「施業の集約化や路網整備の推進による効率的な木材生産が必要」で「台風などの自然災害対策として治山事業は必要不可欠。しっかりと整備推進を図っていきたい」との認識を示す。

若手職員へは「昔よりも職員数が少ないなかで、一生懸命仕事に取り組んでいる」と話し「現場主義で、これまでの仕事や資源を財産として、新しい発想を付加して森林づくりや森林資源の有効活用を進めてほしい」と期待する。

趣味は自転車に乗ること。大学ではサイクリングクラブに所属し「春休みは九州、夏休みは北海道で、寝袋とテントを持って野宿をしながらツーリングした」という。最近は20インチの小径車で鎌倉街道を高崎市から東京都と神奈川県の境を流れる多摩川まで2日間かけて走ったほか、県内の森林内にある昔使われていた細い道を仲間とマウンテンバイクで走っている。また、15年に取得した樹木医の資格を生かしてボランティアで天然記念物の樹木調査等を手伝っている。

県内の建設産業には「常日ごろから地域の安全安心を支えていただいており、なくてはならない存在。特に治山事業や林道事業は山奥での大変な作業を遂行していただいていることに感謝するとともに、引き続き、安全かつ確実に地域の維持発展のために協力をお願いしたい」とメッセージを送る。

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