記事

事業者
山梨県峡南建設事務所

中之倉バイパス 2工区で道路詳細設計/本年度の主要事業概要

2024/05/21 山梨建設新聞

 県峡南建設事務所(内藤浩史所長)は、本年度の主要事業概要をまとめた。道路事業では、一般国道300号・中之倉バイパス二期工区の道路詳細設計や、主要地方道市川三郷富士川線・富士橋の旧橋撤去を進める。河川砂防事業では、一級河川芦川河川改修工事、大津賀沢砂防堰堤工事、横道急傾斜地崩壊対策工事などを進める。都市公園事業では、富士川クラフトパークの施設改修工事を予定する。街路事業では、都市計画道路大門桃林線で用地調査などに着手する。

■道路事業

【一般国道300号・中之倉バイパス】

 峡南地域・中部横断自動車道と富士北麓地域を結ぶ観光アクセス機能のほか、緊急輸送道路に指定され、防災上も非常に重要な路線。特に身延町中之倉地内は急勾配でヘアピンカーブが続き、交通の隘路となっていることから早期整備が求められている。全体計画は延長約5・0㎞、全幅員7mで、2010年に事業着手しているが、3期に分けて整備する計画で、このうち1期工区約1・8㎞は22年12月に供用開始している。

 本年度は、1期工区内の旧道移管工事と、2期工区約1・2㎞の道路詳細設計と用地測量を進め、用地取得に着手する予定。

【主要地方道市川三郷富士川線・富士橋】

 市川三郷町と富士川町を結び、緊急輸送道にも指定される主要幹線道路。一級河川富士川を渡河する旧富士橋は、耐震性能の不足や老朽化の進行、富士川の洪水時水位と路面とほぼ同じ高さにあることなどから、早期の架け替えが求められていた。16年に事業化、23年8月には新橋の供用を開始し、同年9月から旧橋の撤去工事に着手している。

 本年度は、引き続き旧橋撤去工事を進め、27年度の事業完了を目指す。

■河川砂防、急傾斜地など事業

【一級河川芦川河川整備】

 笛吹市芦川を起点とし市川三郷町などを経由して笛吹川に合流する延長23・6㎞の一級河川。11年9月の台風15号の大雨では、JR身延線橋梁の下流右岸が被災し、近隣地区に避難勧告が出された。

 一連区間には住宅が連担しており、破堤した場合には甚大な被害が想定されることから、洪水氾濫防止を図るため、笛吹川との合流部からJR身延線付近までの延長約1・3㎞の河道拡幅のほか、主要地方道甲府市川三郷線芦川橋の改修などを行う計画。

 18年度から下流側より河道拡幅工事に着工し、21年度から着工している芦川橋は現位置での架け替えのため、上流側と下流側に分けた幅員半線施工としており、23年度までに上流側半線が完成している。

 本年度は、引き続き下流側の橋梁上下部工を実施する。

【大津賀沢砂防事業】

 身延町上田原地内の大津賀沢土砂災害警戒区域(土石流)には、土石流被害が予想される範囲内に、家屋10戸のほか町指定避難場所や地域の避難路となる町道上田原東入線などがあり、これらを保全するため、土石流対策として砂防堰堤を3基計画し、現在、最下流堰堤1基を工事中。

 本年度は、引き続き最下流堰堤の工事を進め、早期完成を目指す。

【横道急傾斜地崩壊対策事業】

 身延町下部地内の横道土砂災害警戒区域(急傾斜地)には、土砂災害が予想される範囲内に、要配慮者利用施設である「しもべ病院」のほか、町指定避難所をはじめ、家屋・県道・町道などがある。これらを保全するため、崖崩れ対策として崩壊土砂防護柵工と法面対策工による工事を実施中。

 本年度は、引き続き法面対策工事を進め、早期完成を目指す。

■都市公園事業

【富士川クラフトパーク】

 本公園は防災活動拠点となっており、22年度からアクセス機能の強化を目的として公園入口にある焔硝倉橋の耐荷補強工事に着手している。

 本年度は、焔硝倉橋耐荷補強工事の2期工事を進めるほか、防災機能拡充のための園路拡幅工事を含む公園施設の改修を進める。

■街路事業

【都市計画道路大門桃林線】

 本路線は市川三郷町と甲府都市圏域を結ぶ重要な幹線道路。幅員が狭く歩道も未整備のため特に通勤・通学時の歩行者・自転車での通行が極めて危険な状況であり、その解消が求められている。

 このため、三郡東橋東交差点から郡農協前交差点までの約0・7㎞区間の現道拡幅と併せて電線共同溝の整備を計画している。

 本年度は、起業地の用地調査業務に着手し、早期着工を目指す。


【写真=内藤所長、市川三郷富士川線に架かる富士橋。写真上部が旧橋、芦川橋の架け替え工事に着手、横道急傾斜地では防護柵工と法面対策工を、機能拡充を進める富士川クラフトパーク】

内藤所長 市川三郷富士川線に架かる富士橋。写真上部が旧橋 芦川橋の架け替え工事に着手 横道急傾斜地では防護柵工と法面対策工を 機能拡充を進める富士川クラフトパーク

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら