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(社)長野県建設業協会

木下体制4期目始動/地域を“守り、支える”/通常総会

2024/05/24 長野建設新聞

 県建設業協会(木下修会長、会員数506社)は22日、第71回通常総会を開催し、任期満了に伴う役員改選で木下会長を再選した。副会長には依田幸光氏と福原初氏を再任、長坂亘治氏と深澤信治氏を新任した。4期目となる木下会長は「われわれは地域住民の安全と安心を担う『地域の守り手』として、また地域経済と雇用を支える『地域の基幹産業』として、その社会的使命を果たせるよう取り組んでいく」と決意を述べ、協力を呼び掛けた。

 長野市のホテル国際21で開かれた総会には全15支部の会員が参集。阿部守一知事や後藤茂之、務台俊介両衆議院議員など来賓も多数駆け付け、晴れの日を祝った。

 木下会長はあいさつで「大規模災害がいつどこで発生してもおかしくない。緊急時に迅速な対応ができるよう、関係機関との情報共有や初動対応について検討していく。特に情報共有については県の新田建設部長も重要な課題としており、県のシステムとの連携を推進していく。県と協会の公式な協議の場である『地域を支える建設業検討会議』は発足から16年が経過する中で、連携してさまざまな課題を解決してきた。今後も入札契約制度に対する提言、DXの推進などに引き続き取り組んでいく」と、県をはじめとする関係機関との連携を一層強化し、諸課題に向かう考えを示した。

 また「4月から時間外労働時間の上限規制が適用となり、働き方改革、担い手の確保は待ったなしの状況。進路選択時期の中学生や高校生を対象とした体験学習を実施し、建設産業の魅力や必要性を伝えていく。週休2日や賃金引き上げなど、魅力ある建設業に向けた取り組みも進めていく」と述べた。

 来賓あいさつで阿部知事は「県民の生命と財産を守ることは私の最大の役割であり、災害に強い県土を造らなければいけない。国土強靱化については、県としてもしっかりと予算化を図っており、国に対しても十分な予算の確保と加速化対策以降の財源確保を要請している。日頃の備えとしての防災対策、発災時の応急対応、その後の復旧・復興、いずれの局面においても協会の皆さんの力が大変重要になる。問題意識と方向感を共有し、取り組みを進めていきたい」と考えを伝えた。また、人口減少問題についても触れ「交通ネットワークの整備については、とかく地域の問題とされがちだが、全国的な視点に立ち、どのような国土にしていくのかを国策として考えなければいけない。人口減少社会における国土政策をあらためて考える時期にきている」と述べた。

 県議会の続木幹夫副議長は「県民の生命・財産を守るため、災害に強いインフラ整備を推進することが重要。最前線で社会資本の充実強化に取り組む皆さまの果たす役割は大変大きい」、後藤衆議院議員は「デフレ経済から脱却するためには、正しいコストは売値に乗せ、それを前提とした賃金を払う。プラスの循環の経済政策に変えていかなければいけない」、務台衆議院議員は「強靱化予算は当初で反映すること。また、職種によって労災保険料に多寡があることにも問題意識を持っている。都市と地方の格差を是正するためには何が必要かを考え、取り組んでいきたい」と述べた。

 国土交通省千曲川河川事務所の浅見和人所長は「自然災害の激甚化・頻発化に対して、生命と財産を守るという国交省の極めて重要な使命を果たすべく、事前防災対策、国土強靱化対策を強力に推進している。また建設業の喫緊の課題である労働力人口の減少に対し、生産性の向上を図るべくインフラ分野のDXを推進するとともに、週休2日確保工事や新技術の活用などによる働き方改革に取り組む。これらについて地域建設業の皆さんと連携し、さらなる加速化を図っていきたい」、県議会入札制度研究会の会長を務める服部宏昭県議会議員は「建設産業は災害に強い県土を造るとともに、持続可能な社会を構築すため必要不可欠。皆さんが元気に地域を支え、活躍していただくためには、入札制度をはじめとするさまざまな制度を常に見直していくことが必要。業界の皆さんの生の声を聞き、県と連携し良い方向に進めてまいりたい」と話した。

 恒例の全国建設業協会長表彰の伝達と県建設業協会長表彰の授与式も行われ、受賞者代表へ木下会長から表彰状と記念品が手渡された。受賞者を代表して謝辞に立った望月昭治氏(望月組代表取締役社長)は「受賞は皆さまのご指導ご鞭撻のたまもの。大変厳しい状況下だが、これからも一層研さんを重ね、地域社会発展のため精進していく」と決意を述べた。

 議事では23年度収支決算や24年度事業計画・収支予算など全ての議案を原案通り可決。本年度の活動方針には「社会資本整備の推進と災害に強い地域づくり」「建設産業の担い手確保・育成及び雇用対策の推進」「入札・契約制度に対する提言」「2050ゼロカーボンの推進」などを掲げた。

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