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長野県生コンクリート工業組合

需要拡大に向け活動/前年出荷量は最低水準

2024/05/31 長野建設新聞

 県生コンクリート工業組合(山浦友二理事長)は29日、第50期通常総会を長野市のホテル国際21で開催した。山浦理事長は止まらない需要の減少に危機感を募らせ、「生コンによる公共事業、強靱化対策の大型事業を拡大していくことが必要」と声を上げた。

 県内の2023年度生コン出荷量は112万m3で、前年度比18.5%の大幅減。組合発足以来最低水準となった。山浦理事長は「長期的な需要減少が続く中、原材料や石油製品の値上げもあり、やむを得ず生コン価格を引き上げているが、来年度から骨材メーカーは2000円以上、セメントは5000円も値上げする方針でいる。あまりにも激動。出荷量が100万m3を切ると工場を維持していけない状況になる」と危惧。「この危機を脱するためには生コンによる公共事業を増やし、強靱化対策として砂防工事などの大型事業を推進していくことが必要」と強調した。

 引き続き表彰式が行われ、多年勤続功労者の望月八重子氏(安筑生コン)に山浦理事長が表彰状を授与。また、10年以上無事故無違反優良運転者として柏木寿美夫氏(昭和産業)、横谷長男氏(宮島産業)、新井秀実氏(同)の3人が、甲田隆穂県警本部主席参事官兼交通企画課長から表彰を受けた。

 総会には続木幹夫県議会副議長、栗林一彦県建設部次長、小松輝男長野国道事務所副所長など多くの来賓も出席し、晴れの日を祝った。

 続木副議長は「防災減災対策としてインフラ整備、老朽化対応などを計画的に実施する必要がある。皆さまには、良質な生コンを安定的に供給していただきたい」、栗林次長は「信州しあわせプラン3.0のもと災害に強い県土を推進していく。本年度予算は前年度並みを確保し、このうち強靱化分が3割を占める。着実に事業を推進するため、早期発注に努めていく。これからも皆さんと共に地域社会の発展にまい進していきたい」と述べた。

 事業計画には、労働安全衛生を徹底しながら品質向上のための技術研さんに努め、組合組織と経営基盤の強化に取り組んでいくことなどを盛り込んだ。

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