塩谷町教育委員会は、学校設置基本構想(骨子)をまとめた。船生小、玉生小、大宮小学校、塩谷中学校を2029年3月に閉校し、翌4月に小中学校が一体となった新たな学校を創設する。新学校の形態は義務教育学校、小中一貫校のいずれかになる見通し。今年度は予算などの試算を行い2025年度に基本計画を策定。26年度に基本・実施設計、27~28年度に約1年半をかけて工事を進める方針。29日に町議会に報告した。
町は少子化が進行。学校規模の確保が重要課題だったことから町教委が22年10月に有識者らで構成する学校規模適正化検討委員会を設置。委員会は11回開催された。2月の答申を踏まえて教委が構想の策定を進めている。
骨子では小中学校の整備方針について、児童生徒と教職員が居心地の良い施設環境、地域住民などとの交流がこれまで以上に広がる空間を創出。義務教育の9年間が一体的、系統的にその特性が十分発揮される施設整備と改修を図るとしている。
具体的には「児童生徒の主体的な活動が発揮できる」「教職員等が働きやすい」「児童生徒、地域住民の安全安心が確保できる」「児童生徒、地域住民が交流できる」「次世代の情報学習(ICT)環境を活用できる」「学校施設の機能向上と他の教育関連施設との一体性を持つ」「多様な人材の育成が行える」施設整備を目指していく。
適正配置は既存施設と周辺環境の活用、通学の安全性確保などを視野に検討。立地の妥当性を勘案し、将来の他の教育関連施設が整備可能な箇所に配置する。
新たな小中学校は一つのエリアに設置される見通し。答申は十分な敷地面積と施設規模を有し、既存施設の建築年数など考慮して最適な場所を選定するよう提言している。町内の小学校は3校すべて建築から約30年が経過。塩谷中は20年が経過。塩谷中を活用した設置が有力とみられる。
学校の教育理念は「地域に根差した学校」「未来を創る人材の育成」。25年度は学校開設準備室を設置するとともに基本計画の策定に着手。並行して学校施設活用検討委員会も進める予定。
町内の児童生徒数(24年度)は小学校が319人、中学校が198人。29年度は小学校が230人、中学校が163人と推計。少子化が加速するなか迅速な対応が求められるとしている。