埼玉県建設業協会(小川貢三郎会長)の2024年度定時総会が21日、さいたま市内のロイヤルパインズホテル浦和で開かれ、議案を原案通りに承認した。総会終了後には人材育成と確保をテーマに記念講演が行われ、魅力的な職場づくりに向けて認識を深めた。
冒頭のあいさつで小川会長は「頻発化・激甚化する自然災害に対し、改めて災害に強い基盤整備の必要性と、地域の守り手であるわれわれ地域建設業の役割と社会的責務の重大さを痛感している」と認識を示した後、「建設業は多くの課題に直面しており、建設現場での労働環境整備や積極的な広報戦略による若者の建設業界への就職促進など様々な改革が必要だ」と訴えた。続けて、「4月からは建設業においても時間外労働の抑制が始まり、働き方改革や生産性向上はまったなしの状況。今後も地域の建設業が県民の安心安全の担い手として社会のお役に立つためには、経営基盤を一層強化していくことが必要だ」と強調。やりがいと誇りが持てる魅力ある産業とするため、会員に理解と協力を呼び掛けた。
祝意に駆け付けた県土整備部の??澤隆部長は、県土整備部の本年度予算について説明し「社会資本整備は未来への投資であり、公共事業を切れ目なく継続的に実施していくことが、県民の安全安心と地域経済の活力になると考えており、それを使命としてがんばっていく。公共事業を推進するためには、貴協会会員皆さまのお力添えが不可欠」と、今後も変わらぬ協力を求めた。
続いて審議に移り、上程議案を原案通りに承認した。なお、本年度の事業計画については将来の担い手確保・育成対策の推進をはじめ、働き方改革への対応や生産性および技術力の向上、SDGsへの取り組みなどを重点目標に据え、これらの達成に向け、積極的に事業活動を展開していく。
総会後には、建設業の人材育成からの人材確保をテーマに「あなたの会社で働きたい」と言われる魅力的な職場づくりを目指した記念講演が行われた。講師は人材育成コンサルタントでEfyees(エフィーズ)代表取締役の小宮勇人氏。小宮氏は建設会社で現場監督を務めた経歴があり、さまざまな事例を示し、人手不足の現状把握、人が集まる本質を知る考えた方、一緒に仕事がしたくなる職場という魅せ方、人材育成3ステップの実践を解説した。
総会前に、本年度の全建会長表彰受賞者が披露された。永年建設業および業界発展のため尽力した功労者として、古郡建設代表取締役会長の古郡一成氏。多年建設業および業界発展のため尽力した功労者として、古郡建設社長の古郡栄一氏、日清建設社長の猪股和則氏、松永建設社長の松永大祐氏、寄居建設社長の髙田徹氏、??松建設工業社長の??松賢司氏の5人。そして永年勤続優良社員表彰の10人に、小川会長から一人ずつ表彰状が手渡された。
写真=永年建設業および業界発展のため尽力した功労者として、古郡建設代表取締役会長の古郡一成氏が全建会長賞を受賞した㊧