県は、老朽化した繊維技術支援センター(足利市西宮町2870)を現地で建て替える。当初予算にアスベスト調査、地歴・土壌汚染状況調査、敷地測量の委託料1888万円を計上。アスベスト調査は今月中に指名競争で発注する予定。2025年度に基本設計、26年度に実施設計を実施。27年度に既存施設の解体と建て替え工事に着手。建て替え工事は2カ年を見込み、28年度後半の供用開始を目指す。
アスベスト調査は179万3000円。4棟で構成されるセンター建物の築年数はいずれも50年前後。老朽化が著しく4棟とも耐震診断は未実施。アスベスト使用の可能性があることから調査する。
地歴・土壌汚染状況調査は1059万7000円。地歴は登記や土地の使用状況など文献を洗い出す。土壌はセンター内の染色デザイン棟、染色排水処理施設、繊維科学研究室が薬剤を使用する特定施設となっていることから土壌対策法に則り調査する。
敷地測量は649万円。土地面積9021平方mのうち、公図上では足利市の土地と国有地も含まれており、精査するための測量を行う。業務は栃木県公共嘱託登記土地家屋調査士協会に委託する予定。
工業振興課によると、解体する建物の優先順位や建て替えに伴う機能移転、新施設のレイアウトなど工事の進め方を検討。規模は企業側の利便性を考慮し集約化を含めた検討を行うとした。
本館はRC造3階建て延べ927平方m。1965年の完成で築59年が経過。編織試験棟はS造2階建て延べ771平方m。1974年完成の築49年。染色デザイン試験棟はS造2階建て延べ778平方m。1975年完成、築48年。最も古い繊維科学研究室はRC造1階建て、1963年完成、築61年。
繊維技術支援センターは、繊維関連を扱う企業に技術的支援を行う機関。企業からの依頼で繊維素材サンプルの色落ちや引っ張り強度などの各種測定・分析を実施するとともに、機器の貸し出しや新技術、新製品の研究開発、技術相談、人材育成も支援している。