日本道路建設業協会(道建協、西田義則会長)は5月31日に、新潟市中央区のANAクラウンプラザホテルで北陸地方整備局との意見交換会を開いた。新潟県や新潟市、ネクスコ東日本なども参加し、公共工事予算の安定的・持続的な確保、労働環境の改善と担い手確保などについて議論が交わされた。
西田会長は、国土強靱化実施中期計画の早期策定や必要な予算確保と着実な執行などを求めたほか、時間外労働の上限規制の適用に伴い、長時間労働の改善、週休2日の実施などを説明し、「道路は国民の命と生活を支える基盤であり、地域の安全で快適な生活環境を確保する上で極めて重要なもの。道路整備の一翼を担う道路建設業協会には、高い社会的使命が課されているものと考え、最善の努力をする所存」と話した。
意見交換は▽公共工事予算の安定的・持続的な確保▽労働環境の改善と担い手確保▽i-pavementと新技術開発の推進、普及▽入札・契約制度、積算の改善▽道路舗装メンテナンスサイクルの確立▽無電柱化の推進―をテーマに行われた。
議題のうち、道建協では、労働環境の改善に向けて会員企業に実施したアンケート調査の結果を報告。北陸地整発注工事で、工期や工程管理マネジメントを「適正」または「おおむね適正」とする回答が前年度調査を下回ったほか、書類の二重提出については「要求されなかった」との答えが全国平均を下回っていることを説明し改善を求めた。
北陸地整では、適正な工期を確保するために、舗装工事のみならず、改良工事を含めた道路事業全体の工程マネジメントに努めるほか、書類の二重の提出など現場技術者の負担を軽減するため、昨年2月に工事書類スリム化ガイドを作成し北陸地整内で徹底していくことを説明した。
北陸地整の遠藤局長は「工期が適正だったのか、工程管理、マネジメントが妥当だったのか、われわれも気を引き締めていかなければならない。工事中は受発注者間で協議しながら工期、単価等の乖離(かいり)を補正する。加えて、工事後も事後的なモニタリングを行った上で、次の発注に改善すべき点は改善していく」とした。また担い手の確保について「官民挙げて取り組まなければいけない」とし、「今後、能登半島地震での災害協定団体などの活動、努力を外向けに広報、発信していく」と説明した。
このほか、意見交換では、カーボンニュートラルに貢献する中温化アスファルトの採用が要望され、北陸地整では道路開放時間に制約がある場合など協議事項としての提案を求めた。
【写真=関係者が課題を共有】