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【都市緑地法改正】公布6カ月で施行へ/国基本方針策定と支援機構

2024/06/03 本社配信

 先月22日に参議院本会議で可決、成立した「都市緑地法等の一部を改正する法律案」。公布から6カ月以内の施行とされる。緑のネットワークを含む質・量の両面で都市緑地の確保へ、国による基本方針の策定、都市緑化支援機構の指定、緑地の機能維持増進事業、民間の良質緑地確保の評価・認定制度、民間都市開発事業の認定などの制度が創設される。

 改正法は▽国主導による戦略的な都市緑地の確保▽貴重な都市緑地の積極的な保全・更新▽緑と調和した都市環境整備への民間投資の呼び込み―の3方策を進めるもの。

 戦略的な都市緑地確保は、国の方針として国土交通大臣が都市における緑地の保全等に関する「基本方針の策定」が義務付けられる。基本方針は、緑地の保全および緑化の推進の意義、目標値(特別緑地保全地区の指定面積、優良緑地の認定件数など)、緑地のあるべき姿と発揮すべき機能、政府が実施すべき施策等を内容とするイメージを示している。

 広範な内容を定めるため今後、緑地の専門家等による有識者会議の立ち上げを予定。有識者の知見等を踏まえ、地方公共団体とのヒアリング、パブリックコメントなど行いまとめる予定。また、都道府県による「広域計画(仮称)」も定めることができるようになる。

 緑地の買い入れを代行する国指定法人制度となる都市緑化支援機構。地方公共団体からの期待も大きい。具体的には国が支援機構を指定。緑地所有者から緑地を買い入れ、一次的な保有と機能維持増資を行い、都道府県などへ緑地を譲渡する役割を担う。施行に当たっては、政省令等の策定、事業計画の認可基準の整備、指定基準の整備、公募に向けた制度の周知などを進める。

 特別緑地保全地区は新規指定1000ha促進を挙げる。新規指定を促すため、地方公共団体へ寄付金等の活用や維持管理への企業・NPO等のさらなる参画など丁寧な説明を実施。また、都市緑化支援機構の活動や寄付金活用等を見込む。

 民間事業者など緑地確保についての認定制度が創設される。民間事業者へは認定取得のインセンティブとして都市開発資金の無利子貸付を行うとともに、ESG投資での国際基準等と連動を図り、優良な緑地 確保プロジェクトへの投資環境の整備に努める。その際は、金融界・経済界をはじめ、TNFD事務局等の国内外の関係者に働きかけを実施する。

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