村上市および胎内市沖での洋上風力発電施設整備に向けて8日、新潟港(東港区南ふ頭地区)国際物流ターミナル整備事業が着工した。洋上風力発電施設設備の基地港湾として北陸地方整備局が約91億円を投じ、岸壁の地耐力強化や泊地の浚渫などを行う。事業期間は2026年度まで。27年度からは洋上風力発電施設整備の基地港湾として利用される。
同事業では、洋上風力発電設備の搬入・仮組立に対応可能な岸壁230mの地耐力強化や大型貨物線が接岸するための泊地として水深を10mから12mへ増深する。岸壁は、既設の鋼矢板構造の岸壁を存置したまま、地盤改良機による固化改良および砕石舗装を行い、岸壁の地耐力を1㎡当たり2・5tから35tに強化。また、前面の泊地6・2haをポンプ浚渫船で水深10mから12mに増深する。
これまでに岸壁の地盤改良工事その1~その3工事が契約済み。その1工事は東亜建設工業・本間組JV、その2工事を五洋建設・みらい建設工業JV、その3工事は東洋建設・あおみ建設JVが担当。岸壁約1万8000㎡の地耐力強化として、その1~その3工事で約15%、約2700㎡を改良する。このほど、その1工事での試験施工に着手した。最適な固化剤等の配合量を決定し、その2、その3工事に反映する。
事業完了後27年度からは、村上市および胎内市沖での洋上風力発電事業者に選定された三井物産、RWE Offshore Wind Japan、大阪ガスで構成される「村上胎内洋上風力コンソーソシアム」が洋上風力発電の整備拠点港として利用する。
同日には、着工式典が開かれ、北陸地整の植田雅俊副局長は「港湾からカーボンニュートラルに貢献、挑戦する取り組み。発注者としても施工者と一体となって、29年度から洋上風力発電が運転開始できるよう取り組みたい。本事業、洋上風力発電が計画通りに進み、結果として新潟港や地域振興に役立つことを祈念する」とした。また発電事業者コンソーシアムの三井物産国内プロジェクト開発部の古田真崇部長は「事業が予定通り進むことを願っており、われわれも一日も早い着工に向けて準備を進めている」とした。
【写真=着工祝いくす玉開披】