宇都宮大学は峰キャンパス内にデータサイエンス総合教育研究センター(仮称)を整備する。実施設計と設備設計業務を公募型プロポーザルで7月上旬に公告し事業者を選定。9月から設計を進め2025年1月末に完了させる予定。工事は25年2月に建築、電気、機械の3工種分離で公告し4月中旬に施工業者を決定。5月に着工し、26年2月末の完成と4月1日からの供用開始を目指す。
データサイエンス総合教育センターは、今年4月に開設したデータサイエンス経営学部の大学院と社会人教育、企業コラボなどを目的とした合築棟で学部の機能強化を図る。基本設計は宇都宮大学施設課が担当した。
施設はS造平屋建て延べ1140平方㍍を想定。施設課によると、単純な箱型ではなく、これまでの宇大にないようなアイキャッチな建物がコンセプト。
建物内のオープンスペースに光が入るよう鋼板屋根をハイサイドライトとするなど意匠性を高め、グレーを基調としたクールな印象を持たせる。外装に芦野石、内装に大谷石や鹿沼組子といった県産材の使用を検討しているという。
建設地は敷地南のサークル棟南側多目的グラウンド。敷地面積約3000平方㍍。北側に駐車場、南側に施設を整備する計画。
諸室構成は1部屋あたり26平方㍍のプロジェクト実験室を3部屋、パソコンを置く62平方㍍の端末室、サーバールーム、52平方㍍の講義室が2部屋、学生が自由に使える150平方㍍のオープンスペース。
企業とのコラボレーションルームは個室10部屋、共有スペース300平方㍍。西側半分を学生、東側を企業向けに区分けしている。
駐車場は身障者用1台、一般10台の計11台。正門から離れた位置にあるため、南側の都市計画道路3・4・124宇大南通りからのアクセス路と南門の設置を計画している。
データサイエンス経営学部はSociety5・0に適合した地域産業・地域経済の貢献を基本理念に開設。実践的知識を修得し課題解決や意思決定、価値創造につなげる次世代人材を育成する。
データサイエンスを修得した人材育成は内閣府のAI戦略に位置付けられ、文部科学省も各大学への支援メニューを充実させている。
経済産業省の試算では2030年には80万人が不足するとされており、地域からも早期に人材を輩出してほしいとの声が上がっている。
宇都宮大学では要望に応えるため、大学院と社会連携部門、社会人教育部門のリメディアル教育を兼ねた施設整備を決めた。