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栃木県足利市

足利市、来年度から本格化、総事業費40億円、中央区画整理4.2haが起工

2024/06/21 栃木建設新聞

 足利市は20日、中央土地区画整理事業(4・2ha)を起工した。鑁阿寺南側、足利学校西側の歴史や文化を代表する地域の低未利用地や空き店舗の増加による空洞化を解消。都市基盤整備や街区再編を通じ、活力ある中心市街地に再構築する。減価補償金による用地取得、事業促進用地の取得は2021年度に完了。23年度には仮換地を指定した。初工事は「たかうじ君広場」(通2丁目)を閉鎖し、L字型の区画道路6-3号線の延長53m、幅員6mを施工する。25年度からは建物移転を済ませた箇所から散発的に街路を築造する。29年度の完成を目指し、総事業費40億円を見込んでいる。(2面に起工式)

 施行地区は市中央を東西に流れる渡良瀬川左岸、JR両毛線足利駅西側、東武伊勢崎線足利市駅の北方0・6㎞に位置。南側は主要地方道桐生岩舟線、北側は市道織姫参道相生通りを境に中央は県道飛駒足利線を挟む東西0・3㎞、南北0・2㎞の区域。

 通2丁目、井草町、大門通、家富町の各一部が範囲。用途地域は商業地域。現況は4割が商業系、2割が住居系、3割が駐車場。地区南側は間口が狭く奥行きが長い宅地が目立つ。地区内人口は157人、計画人口は428人。移転対象建物は45戸。

 平均減歩率16・1%の緩和のため、整理前の用地を購入。受益住民の減歩率を8・13%に抑制。「中心市街地活性化計画」では、居住人口の回復と交流人口の増加が目標。1ha当たりの人口密度を現況の38人から100人に増やし、土地の有効利用を図る。

 骨格を形成する都市計画道路は中央を縦断する3・5・102号家富町堀込線(延長182・4m、幅員21~24m)、南側を横断する3・4・1号前橋水戸線(256m、18m)、北側を横断する3・6・102号織姫井草線(98・2m、11m)の3路線。

 区画街路は都市計画道路との機能分担を図り、総延長586m、幅員6~8mを適切に築造。都計道と幅員8mの沿道は商業地とする。特殊街路は総延長158・2m、幅員5・5~7m、通路は総延長36m、幅員3~4m、街区公園は440平方mを配置する。

 家富町堀込線沿道には道路照明、安全施設、植栽を施す。区画街路は現況地盤高を考慮の上で全路線を舗装する。一帯は石畳舗装の歩車道共存道路が張り巡らされており、可能な限り生かす。周辺の歴史観光資源とのネットワークを強化する。

 建物移転費24億5251万8000円、道路・公園築造費4億7512万2000円、電柱・ガス・上下水道等移設費2億1447万3000円、調査設計費3億4322万2000円、工事雑費1億1032万4000円、整地費1000万円と試算した。

 施行後は宅地2万9038・44平方m(69・75%)、公共用地(道路、公園)1万2596・46平方m(30・25%)。工事予算額は24年度4億6000万円、25年度6億1300万円、26年度6億3500万円を計画している。

 04年度に都市計画決定、05年度に事業認可を取得。09~14年度までは事業を休止し、大日東(2・1ha、19年度完了)をはじめ他の土地区画整理事業の重点化にシフト。15年度に事業を再開し、途切れた国庫補助導入の事務的手続きを済ませた。

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