記事

事業者
国土交通省

【凍上災害】舗装損傷対策案示す/災害復旧へ制度設計進める

2024/06/21 本社配信

 国土交通省は、地球温暖化などによる気候変動を踏まえた積雪寒冷地域の道路舗装損傷(凍上災害)に対し、災害復旧事業としての基準、範囲とするかなどの制度設計を進める。その前提となる舗装損傷の要因から、凍結・融解に伴う舗装損傷対策案について、21日の有識者会議で意見を求めた。また、舗装打ち換え時には、As舗装が1層、路盤が1層の場合はそれぞれ1層追加することや材料の選定などを挙げている。

 冬期における舗装損傷の要因は、異常な低温による路床の凍結だった。地球温暖化の影響で、降雪に変わり、みぞれ・降雨が増加傾向にある中でも、舗装損傷が発生している。そのメカニズムは①地球温暖化で、融雪や降雨等による舗装への水の侵入量が増加②浸入した水が路盤上部で滞留③ゼロクロッシングにより、滞留した水が凍結・融解し、舗装が損傷―というもの。

 対応方針案は、損傷箇所の補修で再度災害防止対策を挙げた。

 基本的な対策として、損傷箇所の打換え、路盤への水の浸入抑制。更なる対策の検討として、路盤に水を滞水させない路盤構造の検討を示した。

 打ち換え時の留意事項として、As舗装では▽As混合物の選定=ひび割れしにくい混合物、水密性の高い混合物▽As舗装が1層の場合=1層(基層)追加▽打継ぎ目部の処理=As注入、シール工など―を挙げる。路盤については▽路盤材料の選定=切込砕石、安定処理路盤材など▽路盤が1層の場合=1層(上層路盤)追加―とした。

 会議冒頭、道路局環境安全・防災課の伊藤高課長が、この冬は少し暖冬で降雪も少なかったが「全国各地からこの冬明けの舗装の状態が悪いという意見が各地から出ている。北は北海道、東北で南は富山県辺りからも例年以上に舗装がやられてるんだという要望が出ている」と状況を説明し、「今日は最終的な取りまとめとなり、意見を踏まえて、これからの制度設計をしていきたいと思う」と次の段階へ進む考えを示した。

舗装損傷の対策を議論

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら