それぞれの取り組み説明
関東地方整備局は25日、建設産業専門団体連合会(建専連、岩田正吾会長)、同関東地区連合会(関東建専連、石黒靖規会長)との意見交換会をさいたま市内のTHE MARK GRAND HOTELで開催した。関東地整、建専連それぞれの取り組みが説明されたほか、労務費の基準の担保などについて意見交換が行われた。
関東地整の藤巻浩之局長は「2024年問題をどう進めていくか。賃金をしっかり確保して行き渡らせるか。発注者として歩掛り、単価、工期、施工体制などに気を遣(つか)ったら、専門工事業の皆さんが充実した現場を送れるのではないかと思う。建設業界が将来に発展していくために、若い人に入ってきてもらう。決意を新たにしているところ」と述べた。
岩田会長は「全産業に関係するが、建設業の一番の問題は担い手確保・育成。さらに建設資材などの高騰、時間外労働の上限規制などコストオンとなる要因ばかり。技能者の処遇改善のために請負価格の安定が不可欠。声を大にして適正価格の必要性を訴えていく。元請け企業ごとに支払いの対応が異なっており、建設Gメンを増強してもらった。将来的に影響を及ぼすので、関係省庁が連携し、関係する法律を総動員して不適切な行為を排除していただくことを願う」とあいさつした。
議事に入り、建専連の柳澤庄一専務理事が「建専連の人材確保育成に向けた取組」を説明。▽CCUSレベルごと・業種ごとの年収目安の策定・公表▽建専連会員団体に対する協力依頼~賃上げと働き方改革~▽建設現場 土日一斉閉所運動▽登録基幹技能者の評価・活用の推進――などの取り組みを紹介した。
関東地整からの情報提供として、建設業法改正や2024年問題への取り組み、適正取引の推進、CCUSの状況、担い手確保・育成に係る取り組みなどを説明した。
意見交換では①「労務費の基準」の担保等②市場の実態に即した工事価格の積算、及び調査基準価格や最低制限価格の厳格な運用③建設キャリアアップシステム(CCUS)による各種システムの統一的運用――についてをテーマに、建専連が要望を行った。
これに対して関東地整は、建設Gメンの体制を拡充していること、実態に反映した価格を設定しているよう努めており、また変更契約の対応も行っていることなどの取り組みを講じていることを回答した。さらに、CCUSによる各種システムの統一的運用については、業界からの声として本省に伝えると答えた。
自由討議では、時間外労働上限規制への対応や夢協の活動について建専連側が発言。これを受けて、関東地整の市川智秀建政部長は都県の労働局と連携して幅広く周知や指導をしていくこと、関東地整の西川昌宏企画部長は夢協の取り組みは素晴らしく、方向性は一致しているので引き続き連携して取り組んでいきたいなどと話した。
【写真=岩田会長、藤巻局長、幹部が一堂に会した】