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中央貫通壁に制免震性/自由なプランとワイドビュー

2006/03/31 群馬建設新聞

 (株)竹中工務店(竹中統一社長)は、超高層マンション向けの新架構法「SUPER FLEX WALL(スーパーフレックスウォール)」を開発した。

 超高層マンションで様々な住戸プランを可能にする架構法で、一昨年に発表した「SUPER FLEX TUBE(スーパー フレックス チューブ)」(商標登録済み)に続く、シリーズ第2弾。鉄筋コンクリート造で、建物の下層部から最上階まで貫く建物中央部の耐震壁「コアウォール」と、制震構造または免震構造を組み合わせている。コアウォールと制震構造を組み合わせた「制震架構法」、コアウォールと免震構造を組み合わせた「免震架構法」の2種類がある。

 「制震」または「免震」構造を組み合わせ、高いレベルの安全性を確保できるのが特徴で、大地震時の建物の揺れや損傷を低減し、耐震性に優れた超高層マンションを実現する。

 また、建物の中心部に設けたコアウォールで建物を支えることによって、外周の柱・梁を小さくしたり、または部分的になくすことが可能なため、開口部の面積が大きく取れ、眺望を最大限確保できる。柱、梁に制約が少なく、様々な住戸プランに対応。コアウォールを建物中央部に配置することにより、周囲の住戸部分において様々なプランニングが可能だ。

 現在、超高層マンション「赤坂タワーレジデンスTop of the Hill」(東京都港区、建築主=(株)サンウッド、東急不動産(株)、(株)竹中工務店、森ビル(株)、構造規模=RC造地上45階地下3階、延床面積7万3134・36㎡、戸数521戸)、「シティタワー西梅田」(大阪市福島区、建築主=住友不動産(株)、(株)新日鉄都市開発、構造規模=RC造(一部SRC造)地上50階地下1階塔屋2階、延床面積5万2740・13㎡、戸数349戸)、「アメックス大濠タワー」(福岡市中央区、建築主=(株)アーム・レポ、構造規模=RC造25階、延床面積1万2167・73㎡、戸数111戸)にこの新架構法を採用し施工中だ。

 なお、「赤坂タワーレジデンスTop of the Hill」では「制震架構法」を採用。コアウォールと隣接する柱との間に制震ビームを設置する点を特徴の一つとしており、その一連の技術構成について特許を出願中だ。「免震架構法」で工事を進めている「シティタワー西梅田」についても、一連の技術構成について住友不動産(株)(高島準司社長)と共同で特許出願している。



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