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栃木県大田原土木事務所

大田原土木、西側1730mを優先整備、今夏に路線測量、道路と橋梁設計、461号黒羽BP

2024/06/28 栃木建設新聞

 県は、大田原市の国道461号黒羽バイパスの優先整備区間を西側の南金丸地内の現道分岐から1級河川那珂川対岸の主要地方道那須黒羽茂木線までに決めた。概算延長は一般部が1500m、那珂川渡河橋梁が230mの計1730m。県大田原土木事務所によると、近く路線測量、第2四半期に道路詳細設計を2分割で発注する予定。橋梁予備設計は本庁執行で、第2四半期を目途に発注する見通し。

 バイパスは南金丸地内を起点に南側に分岐。大田原警察署黒羽交番南側で国道294号と交差点を形成。東進後、1級河川那珂川を渡河。那珂川に左岸から1級河川松葉川が合流する南側を選定。左岸側は黒羽市街地の外縁部を北上し那須黒羽茂木線と交差点を形成する。

 道路詳細設計は現道分岐から294号まで900m、橋梁部を除く294号から那須黒羽茂木線まで600mの2件に分け発注を検討している。

 現道とは松葉川渡河部の下高橋東側で合流する。概算延長が2400m。294号と那須黒羽茂木線とは平面交差で計画。

 計画幅員は12m。車道3・25m×2車線の両側に路肩兼自転車通行帯1・5m。歩道は北側に2・5m確保する。

 461号は第1次緊急輸送道路に指定。産業・経済活動を支え、災害発生時には救援活動や物資輸送に利用される幹線道路。

 黒羽市街地の461号は道路幅が狭く屈曲しており、那珂川を渡河する那珂橋は1933年の架設で、すでに90年が経過。設計荷重は6㌧と荷重不足に加え、老朽化による損傷や大規模災害時の寸断なども懸念されている。

 事業目的は道路の走行性向上、交通渋滞の緩和、歩行者・自転車の利便性向上の3点。

 03年度にバイパスの検討を始め、当時の黒羽町と大田原土木事務所でまちづくり支援道路座談会を設立。合併後は大田原市に引き継がれ、06年度に黒羽地区まちづくり支援道路検討会を設立した。

 検討会が08年度にまとめた提言書には①現在の那珂橋を残すことが望ましい②新しい橋は松葉川合流付近を通るバイパスが望ましい③那珂橋を生かしたまちづくりを引き続き議論していくことが望ましい―3点を盛り込んだ。

 県は20年度に調査に着手。現道との分岐・合流部、那珂川渡河位置などの検討を進めてきた。起点は南金丸工区の東端、終点は松葉川の下高橋東側で現道がクランク形状。南側から合流し交差点を形成する。

 ルートの選定に当たり概略設計を委託。家屋が密集していない那珂橋の下流側で、河川幅が狭くなる松葉川と合流した更に南側を候補地に複数案を検討。同地の那珂川は崖地を形成し、左右岸の高さが異なるため橋梁架設には安定した勾配が望めるルートを抽出した。

 那珂橋の橋長は5径間の165・48m。車道幅員が交互通行の5・6mで南側に歩道2mを配置。形式は右岸側が鋼4径間単純トラス桁。左岸側は鋼単純鈑桁。新橋架設までは修繕工事を継続し延命化を実施する。

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