国土交通省は26日、土砂災害防止対策推進検討会(座長・藤田正治京都大学名誉教授)の第1回会議を開き、議論を開始した。2020年3月の「近年の土砂災害における課題等を踏まえた土砂災害対策のあり方」についての答申に対し、取り組みを分析・評価、現状を整理する。加えて、さらなる強化が必要な取り組みを抽出し、取り組み強化に際して必要な施策や制度についても提案を行う。委員の任期は年度末まで。
令和元年東日本台風等に伴う土砂災害における被害実態から課題が顕在化しており、社会資本整備審議会河川分科会土砂災害防止対策小委員会が検討を進め答申を行った。
土砂災害防止対策として土砂災害警戒区域については、19年度末に全国一通りの基礎調査(67万1921カ所)が完了。うち、土砂災害警戒区域の指定区域数は24年度末までに67万1376カ所、「住民等が区域指定に反対している」等を理由に未指定区域数は156カ所。さらに、2巡目以降の基礎調査が進められ、指定区域数は24年3月末時点で69万3675カ所となっている。一方で、本来、土砂災害特別警戒区域を指定すべき箇所では、開発行為の制限等の効力が発揮できていない等の課題があるとされる。
土砂災害警戒区域関係の取り組みのほか▽ハザードマップ▽土砂災害警戒情報等▽警戒避難体制―に関しても施策を進めており、それぞれ現状と課題について洗い出し、対応の方向性について委員から意見が示された。