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長野県建設部

1億円以上は原則実施/遠隔臨場を本格運用

2024/07/05 長野建設新聞

 県建設部は建設工事における遠隔臨場の本格運用を決めた。当初設計額が1億円以上の工事(建築工事は除く)は原則実施する。適用は8月1日以降に起工起案する案件から。

 遠隔臨場はネットワークカメラなどを利用し、現場に行かずに離れた場所から「材料確認」「段階確認」「立会」などの現場確認を行うこと。受発注者双方に労働時間の短縮、生産性の向上といったメリットがある。同部は2020年2月に試行を開始。特に効果が見込まれる遠隔地などを中心に、受発注者協議の上で実施。23年度までに約90件を試行している。

 本格運用では当初設計額が1億円以上の工事は原則実施するとともに、1億円未満の工事についてもこれまで同様に受発注者協議の上、適用を認める。ただし、対象工事でも遠隔臨場が適さない工種・項目は現場臨場とすることができる。

 実施要領は国土交通省に準じ、必要費用は適切に計上する。県の工事書類簡素化ガイドラインに基づき、実施要領のうち①「受注者は、設計図書に従って監督職員(監督員)等の立会が必要な場合には、あらかじめ立会依頼書を所定の様式により監督職員(監督員)に提出しなければならない」との規定があるが、週間工程表等他の様式や、口頭、メール等による「連絡」でも可。②「確認実施者が現場技術員(担当技術者)の場合は、(中略)遠隔臨場の映像を画面キャプチャ等で記録し、情報共有システム等で監督職員(監督員)へ提出する」との規定があるが、現場技術員(担当技術者)の場合でもキャプチャ等の提出は不要―とする。


■普及促進へ機器貸与も

 本格運用に先立ち、本庁および16の現地機関にウェアラブルカメラを配備し、受注者へ無償貸与も始めた。普及促進を目的としたもので、相手方はできる限り遠隔臨場の実績を有していない者とする。建設・砂防事務所には職員数などに応じて2~9台を配備している。

 なお、委託業務については地質調査業務を対象に昨年12月から試行を開始しており、本年度は各事務所で少なくとも2件は実施する目標を定めている。

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