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国土交通省利根川上流河川事務所

古河市鳥喰は築堤/稲戸井調節池で掘削

2024/07/06 日本工業経済新聞(茨城版)

 利根川上流河川事務所は2024年度、本県内の利根川流域にてさまざまな事業を計画している。利根川左岸築堤事業では、古河市鳥喰地先にて堤防整備を実施。一般競争にて第2四半期に発注となる。稲戸井調節池(守谷市)整備事業は、掘削工事を3件、第2四半期に発注を予定。河川防災ステーション整備では、境町に新たな河川防災ステーションを計画し、埋蔵文化財調査を進める。


 古河市鳥喰地先の築堤は、盛土を行い、堤防のかさ上げ、断面の拡幅を計画。延長約220mにかけて築堤工事を行い、盛土工、植生工、舗装工を予定している。工期は約8カ月。下流側から整備を進めていき、25年度以降も継続して左岸部の築堤を実施する。

 利根川上流部の左岸堤防においては、決壊が発生した場合の湛水深が深い区間があり、地域への甚大な影響が懸念される。堤防整備により、堤防を高くして、治水安全度の向上を図る。

 稲戸井調節池では、掘削工事を計画。工期は約6~7カ月を予定している。全体計画においては、池内掘削800万立方mを計画し、24年3月末での進捗状況は約261万立方mとなる。用地・補償については、全体計画330万㎡のうち、24年3月末時点で約315万㎡まで進んでいる。

 稲戸井調節池は、菅生調節池、田中調節池を含めて利根川本川と鬼怒川の合流点付近に位置。3つの調節池が一体となって洪水を貯留することで、利根川下流域の治水安全度向上につながっている。19年に発生した東日本台風による洪水では、3つの調節池で過去最大となる約9000万立方mの洪水を貯留した。

 また、守谷市野木崎地先では堤防拡幅を計画。陸地が市の区画整理事業地で、市が総合公園の盛土整備を予定している。盛土に使用する土については、稲戸井調節池の掘削土を活用する。連携することで、流域一体となった防災・減災の推進を目指していく。

 河川防災ステーションについては、23年度に用地取得が完了。24年度は埋蔵文化財調査を計画している。調査完了後、25年度以降に盛土工事を順次進めていく考えだ。河川防災ステーションは、被災時の堤防復旧などを行う拠点として整備。復旧に必要な資機材を備蓄するほか、建設機械の活動、水防活動などに必要なスペース、ヘリポートなどを備え、非常時の緊急避難場所としての活用が期待できる。

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