県下都賀農業振興事務所は、県営農業農村整備事業に２１億１８９１万円を投じて１９地区（調査計画、２０２３年度補正含む）を推進する。部屋南部（栃木市）は本庁入札のポンプ製作据付工、遊水池・水路工の条件付き一般競争を９月ごろに公告。亀の子堰（小山市）は９月までにゲート製作工の発注を目指す。農地整備は中谷（野木町）、大谷東部（小山市）で着工。新規は水利施設整備の生井（小山市、野木町）で実施設計を８月、喜沢揚水機場（小山市）、瀬戸ヶ原堰（栃木市）の機能診断を７月に委託。調査計画は７地区。幕田堰（下野市）で測量を行う。

　部屋南部の今年度事業費は９億６５６６万円。石川排水機場の改築で、吐水層や吸水槽築造工事に続き、今年度はポンプ製作据付工事、水路工事の２件を発注する。

　ポンプ製作はφ６００の横軸斜流２台。設置までの工期は約３０カ月。水路工事は機場前の遊水池と接続水路の一部を築造。遊水池の規模は約１７ｍ×１６ｍで工期は約１８カ月。２５年度は建屋の発注を計画している。

　亀の子堰は１億１０００万円。ゴム引布製起伏（ラバー）形式で巴波川の上流側に改築する。洪水吐ゲートは幅約３６ｍ×高さ１・１ｍ×１門。

　全体事業費は４億８０００万円、事業期間は２３～２６年度。受益面積が５２４ｈａと大きく、国土交通省利根川上流河川事務所と協議を行ったうえで施工計画を固め工事を発注していく。

　農地整備の下稲葉（壬生町）は３億３８００万円。圃整工は最後の６ｈａ。北関東自動車道の北側で区域東側の工事２件を２９日に開札。変更実施設計を９月までに委託する。

　また、北側の水路工約４００ｍ（幅５００×高さ５００㎜など）を主体とした補完工１件、東側のさく井工１件を７月に指名競争で入札。２５年度以降は圃整工箇所の水路工や中央の幹線用排水路補修工事を予定している。

　薬師寺・柴（下野市）は２０００万円。０・８ｈａの圃整工を含む補完工事の発注を検討中。２５年度は北側を中心とした暗渠排水工約１０ｈａを計画している。

　中谷は３億９７００万円。圃整工に着手し、小山用水沿い最下流部２件９・５ｈａ、高台西側の２件６・７ｈａを１７日に開札。高台のさく井工・揚水機設置工１件を７月に指名通知する。全体計画は整地工７１・４ｈａ、総事業費１７億７９６０万円、事業期間２２～２８年度。

　大谷東部は９９００万円。区域は茨城県境の西仁連川沿いで最下流の圃整工４・８ｈａに着手。今年度は１件で２９日に開札する。全体計画は整地工８３・７ｈａ、総事業費２０億６３００万円、事業期間２０～２７年度。

　粟宮（小山市）は２９００万円。２５年度の圃整工着手に向け実施設計を７月に委託する。全体計画は整地工２０・２ｈａ。事業期間２３～２８年度。管内初の農地中間管理機構関連農地整備事業。

　生井は国営栃木南部土地改良関連事業で、与良川統合排水機場への東部幹線排水路３１４７ｍを改修する。主要構造計画はブロック積み７４１・５ｍ、Ｌ型水路８７６ｍ、Ｕ型柵渠１３９６・８ｍ。総事業費１４億７０００万円。事業期間２４～２９年度。

　今年度は７５００万円。実施設計は８月ごろに下流のブロック積み全区間とＬ型水路の一部区間を委託。７月にボーリング調査、８月に用地測量も委託する予定。２５年度は上流区間の実施設計や工事を予定している。

喜沢揚水機場と瀬戸ヶ原堰を診断

　水利施設の機能診断・保全計画策定は４地区。新規の喜沢揚水機場は６００万円。思川の集水渠から取水しており、左岸の建屋は鉄筋スレート張り９０・４４平方ｍ、ポンプは両吸込渦巻横軸φ７００。造成は１９６０年で老朽化している。

　瀬戸ヶ原堰は６００万円。瀬戸河原公園・うずま公園付近で巴波川の水を右岸側に分水。６１年造成のコンクリート躯体１８平方ｍ、９７年完成のラック式ゲート３・１５ｍ×０・９ｍ×２門。新規地区では今年度に保全計画まで策定する。

　２年目の大岩藤（栃木市）は２６５万円。２３年度に第１・第２揚水機場、第２分水機場、第２機場前（ポンプ）、蓮花川反復機場、長尾揚水機場、渡良瀬川取水口で保全計画を策定。２４年度は中央幹線、西山田幹線、小野寺幹線、支線の各パイプライン総延長約２５㎞と第１・第２揚水機場の電気設備で保全計画を策定する。

　下都賀（下野市）は１９０万円。２３年度に姿川の幕田堰、関沢堰、細谷堰、関沢堰からの大領用水、田川の成田堰、五千石堰で保全計画を策定した。２４年度は小山堰（小山箕輪堰）を委託する。各地区の機能診断・保全計画策定は７月中に委託者を選定する予定。

　県営事業化に向けた調査は７地区で総額６８７０万円。対象は農地整備の小野口（栃木市、５２ｈａ）、安塚・上長田（壬生町、１２５ｈａ）、上古山（下野市、３６ｈａ）、上稲葉（壬生町、１１６ｈａ）、塚崎・田間（小山市、３７ｈａ）、水利施設整備の穂積（小山市）、幕田堰（下野市）。

　幕田堰で新たに調査に着手。上古山、上稲葉、塚崎・田間、穂積の４地区は計画樹立を予定している。