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群馬県高崎市

史跡公園の整備へ/逆茂木の痕跡?関心寄せる参加者/高崎日高遺跡で説明会

2006/03/25 群馬建設新聞

 高崎市日高町と一部中尾町に位置する国史跡指定の日高遺跡で18日、現場見学説明会が開催された。参加者は、環壕の斜面に逆茂木の痕跡と思われる小穴をカメラに収めるなど、有意義な一日を過ごした。

 同遺跡は、昭和52年の関越自動車道の建設に先立つ発掘調査によって発見されたもので、当時では、箱根より東の地域において初めて発見された弥生時代の水田跡をはじめ、その水田跡に付随する住居跡及び墓跡が一体的に保存された全国的にも例のない遺跡として、平成元年11月に国の史跡に指定された。市では、日高遺跡の6万3000㎡を史跡公園として整備するため、平成12年度から16年度までの5か年計画で遺跡の内容確認調査を実施してきた。これまでに弥生時代後期の円形周溝墓や水田跡が確認され、環壕集落が史跡地内に保存されていることなどが明らかになったほか、環壕の斜面には木の根を逆に埋め込んだ逆茂木(=W)の痕跡とも考えられる小穴も見つかっている。市によると逆茂木とされれば全国で3例目になるという。これらの調査結果を踏まえ、18年度には堅穴住居跡や水田跡の調査を実施するほか、史跡公園整備に向けた基本設計に着手する。

【W】逆茂木(さかもぎ)

集落外からの侵入を阻むため、濠の外側などに設けられたバリケードの一種。木を切り、枝の方を外側に向けて地面に埋めたものを一面に並べる。その木はなるべく堅いものを選び、枝を鹿の角のように鋭く削ったものもある。



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