埼玉県造園業協会の新たな会長に、阪上清之介氏(清香園代表取締役社長、本庄市)が就いた。県北から同協会会長に就くのは阪上氏が初。阪上会長は重点的な取り組みとして3点を掲げ、「協会にもっと力をつけたい」と意気込む。
阪上会長は就任の感想として「浅学菲才な身ではあるが、皆さまのご指導ご鞭撻を賜りながら全力で業務に取り組んでいく所存」と気を引き締める。続けて「埼玉県政が掲げる『日本一暮らしやすい埼玉の実現』に向け、少しでも貢献できる協会運営を心掛けていく」と決意を新たにした。
重点的に取り組みたいこととして、「協会員の増強」「自由民主党造園業振興懇話会との連携強化」「協会支部の再編成」の3点を掲げる。「少子化が進み人口が減少する中、これから私たちが求める真の豊かさとは、『緑豊かな潤いのある生活環境』と解釈している。その実現には、県民の皆さまや行政のさらなる緑への理解と醸成が不可欠で、これら課題として活動を考えると、会員の拡大は不可避」と強調。
会員の拡大には、造園工事量の安定的確保が欠かせない。「昨年に埼玉県自由民主党と設立した造園業振興懇話会を通して、県議会議員の皆さまとタイアップを図り、ご意見やご指導いただく」と述べ、事業量の確保など要望や意見交換を行い、会員にとって有意義な活動としたい考えだ。
また、協会支部の再編成にも着手する。「協会が1977年に設立されてからすでに半世紀近くなるが、協会を構成する4支部のエリアと現行の緑化行政区に整合しない地区が出てきたため支障が生じているので、解決に向けて取り組む」とし、今後、会員に具体的な内容を示し、理解を求めていく。
来年、秩父ミューズパークで第75回全国植樹祭が開催されるが、埼造協は全国都市緑化フェアの誘致も長い間、要望してきた。「全国都市緑化フェアは1987年に埼玉県で開催され、来場者数は206万人を数えた。すでに大都市は2巡目を終えているので、本県での開催を強く望んでいる」と述べた。
造園工事の発注量そのものが以前と比較して減少している中、協会は既存公園や植樹帯の長寿命化対策の提案やボランティア活動、自治体との防災協定締結など、緑化行政や施設維持管理に協力している。埼造協は今、大宮第二・第三公園、所沢航空記念公園、森林公園緑道、さいたまスタジアム2〇〇2公園の4カ所で、JVや単独で指定管理を受託している。阪上会長は「各公園の地域に根差した会員が園地管理に携わり、花や緑に興味が持てるような季節に応じたイベントを開催している。指定期間は5年間のため、計画的な維持管理ができることで会員の力を発揮できる機会。これからも盛り上げていきたい」と指定管理業務の重要性を強調した。
略歴 さかうえ・きよのすけ 1907年(明治40年)創業の清香園4代目。本年度の総会で第9代会長就任。「妻と日帰り温泉を巡るドライブと軽登山が夫婦の趣味」。