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【公共事業労務費調査】全体3割をオンライン/周知・協力を関係団体に通知

2024/07/11 本社配信

 国土交通省は次年度の公共工事設計労務単価を決めるため、毎年10月に行う公共事業労務費調査について、関係建設業団体へ周知・協力を通知した。2023年度から本格運用を開始したオンライン調査は、全体の3割で実施を掲げる。新たな調査項目は設定していないが、正確な実態の把握へ法定福利費控除額における雇用保険記入欄の桁を追加する。なお、棄却率の改善や賃金水準の正確な把握の徹底に関しても要請している。調査対象工事の選定、対象業者への通知は8月から。

 労務費調査は全国の国土交通省、農林水産省などの公共工事から、10月に施工中の1件当たり、1000万円以上の工事を対象に約1万工事を調査対象として無作為抽出(技能労働者数約11万人)して実施。対象工事に従事する技能労働者の賃金を積算で使用する51職種に分類し、都道府県別に把握する。10月分の賃金が対象だが、標本が少ない38職種は9月分の賃金支払い実態も調べる。

 調査方法については、オンライン調査の本格運用を継続。ただし、書面調査と双方の対応を可能とし、一部で対面調査も残す形式とする。オンラインから書面、対面調査への変更、書面から対面への変更が想定されるが、書面からオンラインへの変更はできない。

 今回の変更は雇用保険の記入欄のみとなる。これまでは9999円が上限となっていたが一部で1万円を超える回答があったことから設定を増やして対応する。

 調査で問題になっているのが無効標本の存在。せっかく回答しても「就業規則に定める所定労働時間が法定の週40時間以内であることが確認できない」(12%)「調査票への記入の根拠となる資料がない」(7%)の理由で約2割が棄却されている。そこで、元請、下請企業には、確認できる資料などを提示できるよう依頼している。

 また、現場で働く技能労働者全てが調査対象となるため、一人親方も調査票を作成することや、賃金台帳に記載されていない退職金等、不定期の賃金も遺漏のないよう正確な記入を求めている。

公共事業労務費調査(10月調査)、公共工事設計労務単価の決定の流れ

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