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【上下水道】年度内に耐震化計画/強靱なシステム構築へ

2024/07/16 本社配信

 斉藤鉄夫国土交通大臣は12日、重要施設や基幹管路など上下水道の耐震緊急点検結果を10月までにまとめる考えを示した。また、年度内に上下水道耐震化計画の策定・更新が行われるよう支援も進め、強靱な上下水道システムの構築に向けて地震対策、耐震対策を推進するとした。岸田文雄内閣総理大臣の愛知県訪問での発言を受けてのもの。

 水道施設の耐震化状況は、2022年度末時点で浄水施設、基幹管路ともに40%強にとどまっており、大臣は「非常に遅れている」との認識を示し、「この問題意識のもと、特に浄水場や下水処理場、浄水場から配水池までの管路など上下水道システムの急所、その施設が機能しない、システム全体が機能を失う最重要施設。また避難所など重要施設に接続する管路などについて、耐震化状況の緊急点検を早急に進め、10月までに点検結果を取りまとめ公表する」と意向を示した。

 さらに、緊急点検の結果を踏まえ全国の水道事業者および下水道管理者に、本年度中に上下水道耐震化計画の策定・更新を進めるよう「地域における計画策定の取り組みをしっかりと支援していく」と話した。


◎DX技術の活用へ/年度内にカタログ


 上下水道施設の老朽化や管理に精通した熟練職員の減少などが進む中、デジタル技術を活用し、メンテナンスの効率を向上させる上下水道DXの推進が重要。岸田総理はDX技術カタログを年度内に作成、今後5年程度で標準装備を進める考えを示している。

 斉藤大臣は上下水道DXを進める取り組みとして、例えば一つには人工衛星やビッグデータ、AIを活用した管路の劣化予測システム、検針業務や漏水発見の効率化へのスマートメーターなど、すでに実用化され、実績のなる技術について「分かりやすいカタログを本年度中に取りまとめ、各地域での導入を促進していく」とした上で、「今後5年程度で上下水道DX技術の標準装備化を推進し、持続可能な上下水道システムの構築を進めていきた」と話した。また、技術は日進月歩であり、民間企業に対し「事業運営の効率化につながる技術の開発を一層進めていただきたい」と期待を寄せた。

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