国土交通省は24日、CCUS利用拡大に向けた3カ年計画をまとめた。官民挙げて改正建設業法に基づく取り組みと一体となって、処遇改善や業務効率化のメリット拡大を図る「メリット拡大フェーズ」と位置付けた。経験・技能に応じた処遇改善、事務作業の効率化・省力化、就業履歴の蓄積と能力評価の拡大を3本柱とし、少なくとも年1回のフォローアップ、必要に応じた見直しを行い、あらゆる現場・あらゆる職種で実施していく。
3カ年計画は、6月20日の建設キャリアアップシステム処遇改善推進協議会で案が示された。その際の議論などを踏まえて内容をブラッシュアップ、計画が固まった。ロードマップのほか、掲げた施策内容については、それぞれ実施時期を示すことで、年1回は行うフォローアップでの進捗状況の確認がやりやすくなっている。
主な取り組み項目については、次の通り。
【経験・技能に応じた処遇改善】
▽「労務費の基準」に適合した労務費・賃金の支払確保▽CCUSレベル別年収の改定▽CCUSレベルに応じた賃金支払の確認システムの構築▽法定福利費の支払確保(社会保険加入の徹底)▽CCUSレベルに応じた賃金・手当制度の倍増▽CCUSを活用した「技能者を大切にする適正企業」の評価向上・受注機会拡大▽外国人材の適正な処遇の確保▽施工能力等の見える化評価の促進
【事務作業の効率化・省力化】
▽労務安全システムとの情報連携による事務の効率化▽施工体制台帳の作成・提出義務の合理化▽CCUSを活用した現場管理作業の効率化▽技能者のCCUS登録情報の確認の簡素化(スマホアプリ上での確認等)▽建退共との連携完結による事務の効率化▽適正な一人親方の確認の効率化▽現場管理への活用事例の横展開
【就業履歴の蓄積と能力評価の拡大】
▽カードリーダー等がないために就業履歴を蓄積できない現場の解消▽公共工事・民間工事における就業履歴蓄積の推進(公共発注者に対する働きかけ強化と民間工事発注者への周知啓発)▽技能者・事業者登録に係る事務負担の軽減▽能力評価の負担軽減▽評価基準の策定・充実▽技能者自身で能力評価申請ができる環境の構築▽求人情報サイト等を活用した能力評価の促進