県矢板土木事務所は2024年度事業概要をまとめ、92カ所に37億3000万円を投入する。内訳は道路・街路事業が69カ所28億5000万円、河川砂防・ダム事業は23カ所8億8000万円。交付金新規は塩原矢板線泉。矢板那須線泉バイパス整備の影響で360m東進し用地補償に着手。急傾斜地中阿久津東ⅡAは法面を安定させる工法検討の詳細設計を実施する。県単調査ではさくら市の熊田喜連川線南葛城800mの歩道整備で10・5mに拡幅。路線測量・詳細設計に着手するほか、葛城沢に堰堤1基を整備するため平面図化や概略設計を実施。国道408号宇都宮高根沢バイパスはJR東北本線の跨線橋上部製作を進め、盛り土工事を発注する。(3面に事業箇所)
高根沢町の408号宇都宮高根沢バイパス1300mは、地盤改良、斜面対策、道路改良工事を推進し9月までに盛り土工事を発注。JR線横断部の橋梁上り線上部製作工を進め架設工事に備える。下部工と上部架設は協定を踏まえJRが施工する。
新規の中阿久津東ⅡAは鬼怒川左岸に形成された約38度の急傾斜地。下流域には広域避難場所に指定された阿久津中学校体育館が立地しており、人家4戸と併せ保全する。現況測量、詳細設計、地質調査を委託し法面を安定させる最適な工法を固める。対策延長は約400m、面積が7000平方m。
上高根沢氏家線櫻野工区の南進区間は①293号氏家アンダーを回避②高根沢町大谷地区の狭あい箇所改善―などの課題を踏まえ、国道4号や広域農道など道路ネットワークを考慮し概略設計で複数案のルートを検討。櫻野工区は改良工3件を9月までに発注する。
矢板那須線泉バイパスは9月までに改良工3件を発注。泉バイパスまで延伸する塩原矢板線泉は市道泉5号線を経由し、現道と交差点を形成。幅員は10・5mで片側歩道2・5mを確保。23年度までに路線測量・道路詳細設計、用地調査を実施。用地補償の進ちょくを図り工事に備えていく。
県民の森矢板線長井Ⅱは市道2路線との変則交差点を改善。改良工200mと市道長井幸岡1号線宮川橋を架け替えるため9月までに旧橋撤去と上部工、流路工160mを発注する。新橋は16・2m(幅員11m)。上部がプレテンPC中空床版桁。
さくら市の佐久山喜連川線は、早乙女工区で水路や盛り土工事。下河戸は大田原市境から那須烏山矢板線交差点まで2700mの狭あい区間の改善による線形改良と歩道整備。このうち南側1600mを先行。幅員を10・5mに拡幅し片側歩道2・5mを確保。2カ所の橋梁の改善を計画し、宮下橋が側道橋新設、合柄橋はボックス工で架け替える。
宮下橋側道橋は17・7m、幅員2mで下流側に架設。上部がプレテンPC中空床版桁、下部工が杭基礎逆T式橋台2基。合柄橋ボックス工の内径は幅3・5m、高さ2・5mで同位置に架け替える。
293号鹿子畑は、鹿子畑パーキング~喜連川社会復帰促進センター付近の幅員が狭くカーブが連続する1780mの線形改良と歩道整備。現道を12mに拡幅し北側に歩道2・5mを設置。近接するため池との境界は盛り土して安全を確保する。用地調査を進め用地補償に着手する。
江川・烏山(鹿子畑)は293号~佐久山喜連川線付近の6600mの改修事業を再開。下流の整備が未完了のため計画断面に合わせた橋梁の架け替えを先行する。9月までに境目橋上部工を発注。橋長25・5m(幅員6・2m)のプレテンPC中空床版桁。
新沢田橋は詳細設計を固め、橋長が25・5m(支間長24・7m)で幅員5m。下部工は杭基礎逆T式橋台2基。上部工がプレテンPC中空床版桁。
塩谷町の宇都宮船生高徳線佐貫は現道西側へ900mのバイパスに決め9月までに路線測量・道路詳細設計を発注。幅員10・5mで片側に2・5mの歩道を確保。バイパス北側では町道大宮佐貫線にアクセスできるよう東側に分岐するルートを検討する。
天頂下沢は9月までに堰堤打設工を発注。2つの沢筋の合流部付近にくの字型堰堤。今年度から2~3カ年で完成させる。宇都宮大学演習林施設や人家、461号が保全対象。堰堤は鋼製スリットの透過型で堤高5・5m、水通し幅7m、堤長86・5m。
天頂沢は中央に鋼製スリットを配した透過型で堤高5m、水通し幅8m、堤長69・5m。施工地は地盤改良を予定。461号から工事用道路を確保するため用地調査を進め用地補償に着手する。
長大橋の修繕では461号大渡橋が上部桁の再塗装。5径間分のうち2径間が完了。293号氏家大橋は下流側分離橋の根固め工を実施。10径間の鋼鈑桁で洗堀された橋脚に根固めブロック延べ350個で補強する。
ダムの改善では寺山ダムがダムコンを更新するため詳細設計に着手するほか、管理設備修繕と地震計更新工事を9月までに発注。東荒川ダムが森田水位局修繕工、塩原ダムは法面補修詳細設計を実施するほか、堆積土除去工事を発注する。