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【自動物流道路】想定ルートは東京ー大阪/実験線に新秦野~新御殿場/中間とりまとめ

2024/07/29 本社配信

 国土交通省は「自動物流道路のあり方」の中間とりまとめを公表した。想定ルートは東京ー大阪間での設定を念頭に置き、第1期区間は大都市近郊で特に渋滞が発生する区間から構築すべきと示した。さらに、実験線の設置を位置付け、新東名高速道路の建設中区間(新秦野~新御殿場)を具体的に挙げている。高速道路空間の地上部、地下部を活用し、搬送手法はクリーンエネルギーによる自動輸送カートを示した。既存物流モードとの接続点となる拠点の配置や機能を示すほか、実施主体は今後の検討とした。

 自動物流道路は、道路空間を活用して専用空間が構築され、デジタル技術を活用して無人化・自動化された輸送手法により物流を担う新しい物流形態。構築にあたっては、企業が参画するメリットが生じるよう、需要とマッチし、誰もが使いやすく・使いたくなる物流形態を実現し、物流の課題解決につなげるきっかけになる。

 今後さらに需要や事業性・実現可能性の分析を進め、想定ルートは具体的な区間を設定する。具体的には、物流量が最も多く、最大の大動脈である東京―大阪間での設定を念頭に、段階的な運用も含め、実現方法を検討すべき。第一期区間は、物流量も考慮しつつ、大都市近郊の特に渋滞が発生する区間から構築すべきで、モード間のシームレスな連結へ物流拠点(貨物鉄道駅、港湾、空港、高速道路IC、物流倉庫等)間での設定を検討すべき。地方部や都市内でも具体的な検討が必要とした。

 実験線は輸送や積み替えなどで必要な技術開発などの検証を行う。設定にあたっては、将来的な完成形の一部区間や物流拠点間を結ぶ区間などを想定して候補区間を設定すべき。具体名は新秦野~新御殿場間を出したが、小規模改良で実装可能な区間、物流拠点側の再開発等と合わせた実験・導入、JR貨物鉄道駅の拠点としての機能の活用なども挙げた。

 道路空間の利用は、地上部の活用の場合、中央分離帯や路肩の活用が考えられる。地下空間活用では、現地状況により工事期間や整備コストが大きく変動する可能性を指摘した。

 既存物流モードと接続する拠点の配置にあたっては、既存物流倉庫の集積状況、高速道路SA・PAやIC、貨物鉄道駅、港湾、空港等の物流拠点の配置や、既存の道路ネットワークとの接続によるシナジー効果など踏まえて具体的な地点を設定すべきとした。

自動物流イメージ

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