県宇都宮土木事務所は、都市計画道路3・2・102号桜通り平出線(主要地方道宇都宮那須烏山線、通称・競輪場通り)約2㎞の4車線整備による事業化に向け路線測量と道路予備設計に着手。JR東北本線をオーバーパスする錦橋は1957年の架設で老朽化。架け替えの検討に向け予備設計で構造や高さなど最適な手法を導く。JR東日本との協議調整を踏まえ2025年度にも橋梁予備設計の発注を検討する。
事業予定区間は大曽2丁目の主要地方道藤原宇都宮線交差点から今泉新町交差点まで。渋滞緩和を目的に現道13・8mの2車線を30mの4車線に拡幅する。
拡幅による影響範囲を固める路線測量を東西約1㎞に分け委託。西側を東亜サーベイ、東はニッコーが担当。道路予備設計は富貴沢建設コンサルタンツに委託した。
跨線橋の錦橋は橋長が12・6m(有効幅員12・05m)。下部工が逆T式橋台2基、上部工は単純PC床版桁。軌道に対し60度の斜橋。
跨線橋アプローチ部には歩道が設置されておらず、側道部分から階段を併設。高架部のみ歩道が設置されているほか、アプローチ部の路肩は自転車通行帯の路面標示があるものの、狭く勾配があり危険性が指摘されている。経年劣化による老朽化で、はく離やひび割れが見られ20年度修繕工事を実施した。
事業目的は交差点を中心に朝夕の通勤時間帯に発生する渋滞緩和。第1次・第2次緊急輸送道路に指定され、防災拠点への災害時のアクセス強化を図る。
主要渋滞箇所は大曽2丁目、竹林町、今泉新町の各交差点と東北新幹線と立体交差する陽北中学校北口バス停付近。錦橋は竹林町と今泉新町交差点間でJR東北本線をオーバーパス。予備設計では両側の側道スペースを活用した拡幅により渋滞緩和の効果を探る。
競輪場通りは宇都宮市の3環状のうち内環状の一部を構成。2000年度に県と市が「市道路網の整備および管理の方針に関する確認書」を取り交わし、約2㎞区間を県道に指定。県が整備と管理を担当することに決めた。
01年度には都市計画を変更し、4車線化の拡幅整備を位置づけた。幅員構成は車道3・25m×4車線の中央に3mの中央分離帯。交差点は付加車線として活用。歩道は両側に5mを確保し電線類地中化を実施する。車道と歩道の間は路肩兼自転車専用通行帯2mを配置する。
主要構造物では西側から1級河川田川を渡河する大曽橋。大曽橋は上下流側に歩行者専用の側道橋を架設。県河内庁舎と市水上公園前に旧田川の新陽橋。
2㎞区間の中央部付近で東北新幹線高架橋下を通り、氏家宇都宮線の竹林町交差点西側で1級河川御用川の御用橋が所在する。拡幅に伴い新幹線跨線橋の橋脚2基が30mの幅員内に位置し、路肩部分で調整する見通し。
竹林町交差点から今泉新町交差点間はJR東北本線をオーバーパスする錦橋。跨線橋区間では1級河川石川を渡河する石川橋が所在する。
跨線橋部の幅員は両側の側道6m×2を含め36m。幅員構成が車道3・25m×4車線に中央分離帯1m。車道両側の路肩は0・5mで歩道を両側に4m確保する。
昨年11月の渋滞状況調査によると、国道4号に向かい大曽2丁目交差点で最大320m、北進方向は820m。竹林町が最大350m、今泉新町で190mとの結果が出た。
沿道には災害拠点病院の済生会宇都宮病院、宇都宮市保健所に加え、県災害対策支部の県庁河内庁舎・宇都宮土木事務所など防災拠点施設が集中。災害時に緊急車両の通行を確保するとともに、電柱倒壊など2次被害を回避するため拡幅整備と併せ電線類地中化を実施する計画。