県大田原土木事務所は、114カ所に57億3000万円を投入する2024年度事業概要をまとめた。内訳は道路・街路事業が82カ所で51億2000万円、河川砂防事業は32カ所6億1000万円。大田原氏家線親園と3・3・9号産業通りは、バイパスのルートを検討する路線測量。461号黒羽バイパスは西側1730mを優先区間に決め、道路・交差点詳細設計と那珂川橋梁予備設計を発注。工事費を重点配分したのは大田原氏家線親園佐久山バイパスと1級河川熊川。砂防は国庫新規が下瀬場沢(大田原市須佐木)で諸元を固めるほか、県単は蓑沢1号沢(那須町蓑沢)で平面図化に着手する。(2面に事業箇所)
道路事業のうち大田原市の主要地方道大田原氏家線親園佐久山バイパスには5億円。箒川橋梁工事の進ちょくを図り12月までに5000万円超の道路改良工事4件を発注。新橋は147m、3径間連続鋼Ⅰ(少主)桁。
佐久山地区バイパス2200mが25年度完了予定で進められており、市道ライスライン線から北進するルート検討に着手。親園地区の狭あいで人家連たん地区を回避。3案程度から現道合流ルートを決め路線測量に着手する。
461号黒羽バイパスは、西側の南金丸地内から現道南側に分岐。那珂川右岸で294号、左岸では那須黒羽茂木線と交差点を形成。那珂川渡河部は松葉川合流部付近に決め道路詳細設計と橋梁予備設計を発注する。
既設の那珂橋は1933年の架設で老朽化し荷重6㌧と荷重不足が指摘され、補修工事を継続しながらバイパス整備まで延命化対策を実施していく。
3・3・3号野崎こ線橋通り1213mには1億2400万円を配分。JR宇都宮線をオーバーパスし東北新幹線下を横断する。461号交差点付近などまとまった用地を確保した箇所から道路工事の進ちょくを図る。
軌道上の橋長が94・4mで上部は3径間連続合成床版プレビーム合成桁。下部工は杭基礎逆T式橋台2基、杭基礎張出式橋脚2基で、擁壁立ち上げを含む高架部延長が400m。
那須塩原市の400号西赤田には2億4000万円。東北自動車道西那須野塩原ICにアクセスする重要物流道路。延長2500mを4車線に拡幅し3工区に分け推進。IC側900mを先行し改良工事を進める。
西小学校入り口には歩道橋を新設。橋長が36・7m(幅2・1m)の中路式鈑桁。旧道から北側700mは用地補償、中央部の900mは法線の見直し作業を進める。
重要物流道路の400号東進区間は大田原市新富町。鹿島川渡河部をボックス工で架け替えるため上流側に仮設工事を実施。既設の電共の付け替えを検討し用地測量・補償を継続する。
中田原寒井線は大田原芦野線分岐交差点を改善。クランク形状の市道小滝1号線と十字路化し、視認性を確保。分岐部から450mの歩道未整備区間は2・5mを確保し幅員を11・25mに拡幅する。今年度は物件調査や用地補償を実施する。
那須塩原と那須を結ぶ西那須野那須線黒磯那須バイパスは用地取得を完了。9月までに改良工事2件、年明けに1件を一般競争で発注する。
西那須野那須線西遅沢は、4車線の中抜け区間。蛇尾川を渡河する遅沢橋の4車線化に向け、2基の橋脚工事を2件に分け第3四半期に一般競争で発注。橋脚は杭基礎張出式で3基のうち南側2基に着工する。
橋梁を架設するのは下流側上り線。橋長は142・6m(幅員10・75m)の4径間連続鋼鈑桁。橋台は4車線一体型で施工済み。
那須町の豊原高久線高久駅前2270mは、北側のJR跨線橋33mの詳細設計を25年度以降に先送り。JR東日本と調整し南側現道拡幅区間870mの用地調査・補償を先行するほか、棒川渡河部のボックス工の修正設計を進める。
ボックス工は当初、内径断面で幅7・7m、高さ6・3mから1m程度浅く施工できるよう5~6m程度に調整。JR東北新幹線橋脚との近接施工を避けFEM解析を回避する。北側の跨線橋を含むバイパスは1400m。
那須高原線は現道拡幅や広谷地交差点の改善など行楽期の渋滞対策に向け、路線測量や詳細設計で整備手法を固める。那須西郷線池田は9800万円。クランク状交差点2カ所を是正するため付加車線設置に向け、用地補償を進める。
大沢では、余笹川橋梁の大谷開拓橋前後720mの法線を是正するため概略設計で現橋約30m下流側に決めた。新橋は41・6mの鈑桁を軸に路線測量と道路詳細設計で法線を固め、橋梁詳細設計の発注時期を検討する。
河川では鹿島川が用地補償や護岸工、仮道工事。箒川では堤防強化対策や堆積土除去、蛇尾川が砂防区間で帯工詳細設計、下流は護岸工事。大幅な工事の進ちょくを図るのは那須塩原の熊川で5億円を配分。渇水期施工を視野に一般競争で9件の護岸工を発注。今年度の完了を見込む。
砂防は余笹川と遅山川、大蛇尾川、箒川、蛇尾川の既設堰堤の改築に向け測量や設計を継続。工事は腹付けと前庭保護工を想定した。学校沢と上瀬場沢は堰堤施工に向け用地調査・補償。門前向沢は地盤改良と堰堤工事に着手する。
急傾斜の如来は法枠工、待受け擁壁と杭式防護柵に決め、施工延長が擁壁と防護柵の併設447m。先行して発注する法枠は1052平方m。
保全事業で大幅な進ちょくを図るのは橋梁修繕で、大田原芦野線高野橋、矢板那須線那須高原大橋、那須甲子線新八幡橋などが工事。大子黒羽線阿久津橋、中塩原板室那須線八幡橋などが設計を進めるほか、5年に1度の目視点検に29橋を予定した。
藤原塩原線湯本塩原、塩原矢板線塩原、黒磯田島線深山、黒磯棚倉線梓などで保安林解除手続きや設計、法面対策など防災工事を進めていく。