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【BIM/CIM】26年度以降に標準化/鈑桁の設計~工場製作へデータ連携

2024/08/05 本社配信

 国土交通省はi-Construction2・0の推進へ、BIM/CIM活用に向けた鋼橋の設計から工場製作へのデータ連携に取り組む。2022年度に鈑桁で実施したデータ連携の試行で判明した中間ファイルに関する課題へ対応するほか、箱桁を対象に属性ファイルの出力など開発に乗り出す。試行工事と検証を経て、鈑桁は26年度以降の標準化を目指す。箱桁は同年度以降に試行へ取り組む。

 22年度に建設コンサルタンツ協会(建コン協)と日本橋梁建設協会(橋建協)が実施した鋼橋の設計段階と施工段階のデータ連携。自動設計システムから中間ファイル作成(標準フォーマットに自動変換)し、微修正箇所の報告を含めて納品。施工では自動原寸システムに情報を自動入力し、微修正をかけて工場製作データを完成させるもの。

 試行工事は福光・浅利道路2号橋(山陰道)、四国横断自動車道津田高架橋(徳島県)、笠岡バイパス入江高架橋(岡山県)で実施。全ての試行結果がまとまった訳ではないが、工場製作データの作成で1割弱(約20時間)の作業時間短縮効果を確認。また、受注直後の構造把握に有効、容易に3Dモデルによる確認が加納、作業工数の削減に寄与する効果があり、試行結果の反映ができればさらに3割程度(約90時間)以上の作業短縮が可能とみている。

 課題も判明した。自動設計システムにおける工場製作システムに対応した部材定義の入力と、自動設計システムから中間ファイルへの出力設定の見直しについては、他の試行結果を踏まえて年度内に対応の見込み。また、中間ファイルが未定義となっている部材の定義化も課題で、中間ファイルの改善が必要とされ、今後2年程度で対応する予定としている。

 今後の進め方についても道筋を示した。鈑桁は引き続き試行および効果検証を実施。構造が比較的複雑な箱桁もデータ連携に向けシステム開発を進める。

 鈑桁(合理化桁)は試行工事による効果検証を25年度まで進め、26年度以降に標準化。鈑桁(従来鈑桁)は属性ファイルの出力の開発および連携テストを年度中盤までに行い、後半から25年度にかけて試行工事による効果検証へ移行する考え。26年度以降の標準化を見据える。

 箱桁は、年度後半に属性ファイルの出力開発に着手。25年度末までに開発と連携テストまで完了させて26年度以降に試行工事、標準化へと進む。

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