地域を支える建設業検討会議の第52回全体会議が8日、長野市の長野県土地改良会館で開かれた。県建設業協会は猛暑対策への対応や、「小規模維持補修工事の民間委託」のさらなる活用を求めた。
議事の冒頭、県建設部の栗林一彦次長は、国土強靱化の着実な推進と、4年目を迎えた5か年加速化対策後も公共事業予算の確保に努めることを明言。協会の木下修会長は「猛暑が続き、現場は過酷な状況にある。気象の変化も踏まえた、若い人が入職しやすい環境づくりが重要」と述べた。
議事では協会が「炎天下の屋外作業は過酷を極めている。こまめに休息をとるなど対策を講じているが、施工量に影響が出ている。特に舗装工事は顕著」と訴え、費用の割り増しや工期面での配慮を要望。作業時間を夜間に変更することも提案した。
小規模維持補修工事の民間委託のさらなる活用も提起。一定規模未満の道路舗装工事は民間委託の相手方へ委託することや、随意契約できる上限額(250万円)の引き上げを求めた。これに対し県は「制度は変えられない。上限額の引き上げも難しい。ただし、資材価格が高騰している点は考える必要がある」と回答した。
また、低入札価格調査制度について「変動制の調査基準価格の下では、応札価格の平均に近い入札価格でも調査対象となる場合があり、調査の対応には受発注者とも大変な労力を要している」とし、制度の見直しを要望。県は「検討する」と述べるにとどめた。
高騰が続く資材価格については、協会が「調査体制を強化し、設計価格への反映に努めているとのことだが、まだまだ実勢価格との乖離がある。スライド条項についても、適正な利益が得られるよう受注者の負担割合を見直してほしい」と要望。「事前に価格の引き上げが分かっている場合、これを反映した形で積算することはできないのか」との質問も出た。
これに対し県は「より迅速な価格改定に努めるとともに、国の動向も注視していく」と述べた。
このほか少子高齢化対策や働き方改革、災害時情報共有システムの活用などについても議論。県は24年度の予算執行状況や週休2日工事の補正方法の変更、入札参加資格申請の次期定期審査(2025・26・27年度資格審査)における新客観点数の項目見直し内容などの説明も行った。