国土交通省は年内の策定完了に向け、道路におけるカーボンニュートラル推進戦略骨子案を明らかにした。道路分野のCO2年間排出量約1・8億tに対し、地球温暖化対策計画には道路分野単独施策の30年度削減量目標値約241万tが掲げられており、目標を上回る取り組みで対策強化を目指す。また、道路単独分野以外との共創などにも取り組む。
道路単独分野は▽自転車の促進=28万t減▽道路交通流対策等の推進=約200万t減▽LED道路照明の促進=約13万t減―とされ、道路管理者で連携して削減の拡充を図る。道路単独分野以外については▽再生可能エネルギーの最大限の導入(道路空間への太陽光発電の導入推進等)▽次世代自動車の普及、燃費改善(SA・PA、道の駅で充電事業者等が行う充電器の置促進等)▽脱炭素物流の推進―など、道路分野の対策・施策で削減に貢献していく。
推進戦略で目指すのは、ハード・ソフトを両輪とした取り組み、ビッグデータやAIの利活用による政策立案と新技術活用、多様な主体と共創し分野横断的な取り組み、災害時における道路管理者としての新たな対策の導入を方向性として掲げる。基本方針は①道路交通のグリーン化を支える道路空間②低炭素な人流・物流への転換③道路交通の適正化④道路のライフサイクル全体の低炭素化―。
盛り込んだロードマップ例によると道路空間には、発電、送電等、給電、蓄電、走行環境の分野で取り組み、30年には各省庁調達電力60%以上を再エネ、充電インフラ30万口―などを目標とした。人流・物流では自家用自動車乗換輸送量163億人㎞、通勤目的の自転車分担率20%を掲げた。
道路交通の適正化では、渋滞ボトルネック解消、自動車利用の抑制・分散、自動運転などを進める。ライフサイクル全体の低炭素化へは、予防保全への移行による長寿命化の推進、道路計画時の比較検討への脱炭素反映、低炭素機械や材料等の導入、照明LED化や次世代自動車導入を進める。国管理道路の照明は30年の段階で照明LED化を概成させる目標としている。
いずれも2050年カーボンニュートラルの実現につなげる。