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みどり市は温泉施設整備事業で継続費補正

2024/08/21 群馬建設新聞

みどり市は笠懸町鹿地内で予定する温泉施設かたくりの湯の移転整備工事について、9月補正予算案で3億6990万円の増額を行い、継続費の変更を行った。工事は予算可決後に速やかに発注する方針で、建築、電気、機械の3分離による一般競争入札が見込まれる。

増額理由は特殊な地盤に対応するため、工法の変更が生じたほか、工事資材の物価高騰や耐用年数を迎えた源泉汲み上げポンプの更新工事の追加などが生じたため。継続費の内訳は今回の補正により、24年度は17億3878万円、25年度については11億5918万6000円とし、合計で28億9796万6000円により事業を実施する。

温泉施設は2026年度の供用開始に向けて本年度から工事着手し、2カ年で工事を実施する。基本設計業務は桂設計(東京都新宿区)が担当。

かたくりの湯は1997年に建設され、73年に整備された大間々老人憩の家とともに健康増進施設として利用されてきた。老朽化が著しく、ユニバーサルデザインの未整備や安全性、快適性などに課題が多いことから両施設を統合し、源泉地付近へ移転する。

新施設はW造およびRC造で一部S造の平屋となる。床面積は2105㎡で基礎は直接基礎。最高高さは7・5m。駐車場は129台で一般車が100台、福祉6台、職員23台の内訳。建物は鹿田山の麓に稜線と調和する勾配屋根の連なるシルエットとし、源泉地に近い敷地の北側に配置することで、温泉配管を短くすることを可能とした。また、車寄せの整備を行うほか、福祉駐車場も確保したことでユニバーサルデザインに配慮している。防災計画については、災害時の屋外避難ができる施設となっているため、緊急車両の活動空地としても利用可能な多目的広場も整備する。多目的広場には通常時は長椅子として、災害時には炊き出しなどで使用可能な、かまどベンチを設置。また、多目的広場と連続する屋根に覆われた半屋外の軒下空間を整備し、災害用備蓄品を収納する防災倉庫も設置する。

非常用発電機も設置し、72時間の電源供給を実現する。太陽光発電設備としては、管理事務室内に太陽光専用コンセントを設置することで対応する。

外装仕上げのイメージは勾配屋根は温泉泉質の対候性に優れ、美観を維持するアルミ屋根とし、外壁は明るい印象の黄白色および落ち着きのある樺茶色の塗材で仕上げる。内装については市産材の木材を活用、落ち着きのある明るく温かみのある色調とする。

なお、一般会計予算は5億82万3000円を追加し、総額288億7927万8000円とした。

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