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長野県長野建設事務所

堆積工の配置変更検討/着工は最短でも26年度/長野市財又の冷沢砂防事業

2024/08/24 長野建設新聞

 県長野建設事務所は長野市財又の冷沢砂防事業で、用地取得が難航していることから施設(堰堤および堆積工)の配置変更を検討している。これにより、着工時期は最短でも当初計画から1年ずれこみ2026年度となる見通し。25年度以降の残事業費は6億3900万円。

 同事業は20年度に新規事業化。採択後一定期間を経過した後も未着工との理由で本年度の県公共事業評価監視委員会の審議対象となり、工程の見直し案が明らかになった。

 冷沢は流域面積7.7平方㎞、平均渓床勾配6.3分の1の急渓流。流域内は荒廃、侵食が進行しており、上流域の河床には不安定土砂、倒木が多量に堆積している。下流域には人家12戸、財又公民館、主要地方道信濃信州新線(第ニ次緊急輸送路)があることから、堆積工1基、砂防堰堤2基の整備により、土砂災害を未然に防止する。

 上流堰堤は延長46m、高さ8m、下流堰堤は延長58m、高さ8mで計画。設計業務は21年度に発注済みで、上流を環境都市設計(長野市)、下流を新日本設計(同市)が担当した。また、22年度には工事用兼管理用道路の一部として計画する沢を跨ぐ橋梁の設計を発注し、フジテック(同)により業務が完了している。

 2基の堰堤の間が堆積工の事業用地となるが、3~4世代(約80人)に渡る相続の手続きが必要な筆が複数あり、全て取得するには膨大な期間を要することが判明。施設の配置変更等、設計を見直す必要が生じている。計画調査課は「取得が困難な土地を回避して整備することが可能か、検討を進めている。設計変更の予算は確保しているが、今のところ発注のめどは立っていない。評価監視委に示した工程の見直し案は、あくまでも最短のスケジュールであり、検討の進捗等によりさらにずれ込む可能性もある」と話した。

 工程の見直し案によると、設計を24年度内に完了し、用地測量および用地補償を25年度に実施。工事は26~30年度の5年間で行う。

 全体事業費7億4000万円の内訳は、測量・調査費3000万円(20~21年度、実施済み)、設計費9000万円(22~24年度)、用地測量・用地補償費2000万円(25年度)、工事費6億円(26~30年度)。

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